自転車世界一周　第７章　全走行の決意（イスタンブール編）

中庭には一本の木が植えられていたが、
その木を笹代わりにして、
僕たちは七夕の夜に短冊を飾っていた。

「無事に日本まで帰れますように」
「家族が健康でありますように」
「毛がこれ以上抜けませんように」
「彼氏ができますように」

「うちの大統領がこれ以上
他国に嫌われるようなことをしませんように」
「（十万トルコリラ札をぶら下げ）
二百五十万トルコリラ札に増えますように」
「またみんなに会えますように」

この季節、イスタンブールの都会の夜空でも、
織姫と彦星は見えた。

　トルコ共和国
（Republic of Turkey）

人口	６７８４万人	面積	７８万km²
首都	アンカラ	宗教	イスラム教（スンニー派）
言語	トルコ語	通貨	トルコリラ
旅行期間	２００２年５月２６日～２００２年８月９日（７６日間）
訪問経路	（南アフリカ）～イスタンブール→アンカラ　　→シワス→エルズルム→ドゥバヤズット→（イラン）

旅は２年目に突入　イスタンブールで休息のとき

日韓共催ワールドカップが開幕　トルコ思わぬ快進撃

半年前に引き続き　新聞そして今度はテレビの取材

ガラタ橋やマルマラ海の島　のんびりと過ごす日々

日本を破ったトルコ　さらに勝ち進んで

沈没旅行者たちは　宴のときを続ける

ワールドカップ終幕　深夜に遅れた凱旋式

季節は七月へ　今しばし沈没

多国籍の若者が集う　イスタンブールの夏

次の国のビザを申請し　壊れていた自転車を修繕し

休息のときは終わり　また旅立ちのときが来る