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杞憂、か? 空から布団が降ってきた 強風の日、落下物に注意



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 かつて中国に杞という国があった。杞の国の人々はみなひどい心配性で、空を見上げては、いつかこの空が落ちてくるのではないかと心配したという。そんなありえもしない心配ばかりしていたために、杞の国はまもなく滅んでしまった。「杞憂」という言葉の語源である。

 そのありえないはずのことが、たびたび起こっている。もちろん、空そのものが落ちてくるわけではないが、歩いている人の頭上に予期せぬ何かが落ちてくるという話だ。最近も工事中の鉄骨が落下し、下敷きになった小学生が重傷を負ったという事故があったし、飛び降り自殺に女子大生が巻き込まれるというやりきれない出来事もあった。

 そんな「杞憂」が「現実」となってしまった出来事に最近、私自身も遭いかけた。今月27日の午後のこと、何が落ちてきたかというと、布団である。10階建てくらいのマンションから、前の道を歩いていた私の数歩前に、布団がどさっと落ちてきた。驚いて見上げると、ざっと8階くらいだろうか、ベランダで慌てたような人影があった。

 柔らかな布団とはいえ、重量はそれなりにある。脳天に直撃を食らったら、痛いだけではすまないだろう。まして「もし小さな子供やお年寄りにぶつかっていたら……」と思うと少し恐くなった。

 場所は東京都内の某所、前日の暴風雨から一夜明けて、空には気持ちのいい青空が広がっていたが、風が滅法強い日だった。おそらく日干ししようと思ったところ、強風に煽られ落としてしまったのだろう。

 人身事故にならないかぎり、こんな出来事がニュースになることはない。しかし、同じような被害なき落下事故は、実はあちこちで発生しているのではないかと思われる。オーマイニュース流に言えばさしずめ「ニュースのたね」だが、事件として芽生えてしまわないよう、ぜひ気を付けてほしいものである。
(2006年12月29日掲載)

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