タイ・プーケット子連れ旅行/第1日 はじめての飛行機
はぢめての海外旅行に選んだ行き先は、直行便が復活したタイ・プーケット。
仕事の関係で安く手配ができたことと、
まあいちおう、無難なところがいいだろうという考えであった。
タイ王国 (Kingdom of Thailand) |
人口 | 6197万人 | 面積 | 51.4万km2 |
首都 | バンコク | 宗教 | 仏教(上座部) |
言語 | タイ語 | 通貨 | バーツ |
旅行期間 | 2008年8月2日~2008年8月7日(6日間) | ||
訪問経路 | (日本)~プーケット~(日本) |
8月2日
はぢめての空港、液体検査を突破せよ
タイ航空のプーケット直行便、成田出発は午前十時の予定だ。
早朝五時に起床し、六時には家を出て、二時間前の八時には空港に到着。折からの燃油サーチャージの高騰で、海外旅行は敬遠されがちと報じられている今夏だが、さすがに夏休み期間の週末、人は多い。エレベーターで出発ロビーのある四階に向かと、航空券引渡しの出発カウンターには行列が生じていた。
チェックインで預ける荷物は大型のザック一つ。機内に持ち込む荷物は小型のサブザック二つ。問題はベビーカーだが、これはあっさり「搭乗口までご利用いただけます」との案内であった。おそらくどの航空会社でも同様の案内なのだろう。出国審査を経たあとも、ベビーカーに幼子を載せて歩いている家族連れをちらほらと見かけた。うちの子は体重十キロ超、ずっと抱っこしての移動は大変であり、ベビーカーに乗せていけるのはありがたい。
【成田空港、子供の遊び場】
出国手続は、子供がいようといまいと、特に変わることはないが、問題は荷物検査だ。現在国際線全便において、機内に持ち込める液体物の容量が厳しく制限されている。二〇〇六年にイギリスで起きたテロ未遂事件の影響であり、百ミリリットルを越える液体物は不可、ペットボ トル飲料はもちろん、歯磨き粉や化粧品の類も対象となる。
ただし赤ちゃん用のミルクなどは例外。長男はすでに乳離れしているが、お茶を入れた水筒を用意していた。
「捨てないといけないのでは」と妻。「大丈夫だろう」と私。
果たして空港職員の判定は……。
「飲んでみていただけますか」
苦笑いをこらえて水筒に付いたストローをくわえる私。
「どうぞ」
ほんの一口、舌を湿らせた程度で、持ち込み許可が出た。
さて。出発時刻は十時の予定だったのだが、タイからの到着便が送れ、十時半に変更。私たちはプレイルームで時間をつぶすことにした。成田空港には、小さな子供のための遊び場や授乳室が数ヶ所ある。私たちが利用したプレイルームは、その中では広めの施設で、滑り台、絵本、ぬいぐるみ、コンピュータゲームなどが用意されていた。
狭い飛行機で長時間の移動は、子供にとっても大きなストレスになるはず。ここでなるべくエネルギーを発散させておきたい、という魂胆である。
【タイ航空、子供用の機内食】
▼英語ホームステイ/語学留学プラン 詳しくはこちら▼
はぢめての飛行機、大興奮が不機嫌に変わるとき
そしていざ、搭乗。幼い子供連れは優先されると聞いていたが、そのとおり。先頭で機内に踏み込むのは初めてで、誰も座っていないがらんとしたジャンボが、不思議な空間に見えた。長男もまた、これが未知の乗り物だと分かったのか、興奮気味である。私たちの席は、後方の中央席。二歳未満の長男は座席なしであり、私の膝の上。これが重くて、正直なかなかしんどい。ただ、座席を使用するとなると、料金が上がってしまうので仕方がない。
いざ離陸。外を見たくてたまらない長男は、押さえようとする私の腕に逆らって、首を高く伸ばし、ほかのお客越しに窓の外の景色を見ようと必死。機体がふわりと浮く瞬間と、付随する震動、騒音に、ただでさえ巨大な目玉をさらに丸くしていた。
しばらくははぢめての飛行機にゴキゲンの長男だったが、最初の関門は機内食であった。普通なら、狭い飛行機で最大の楽しみの機内食、しかし、幼児がそこにいると、自分の食事もままならないのである。先に運ばれてくる子供用の食事の間は、まだいい。次に大人用の食事が運ばれてきて、トレイに並べて、私たちが食しているのを、彼がおとなしく抱っこされたまま眺めていてくれるわけがないのであった。
かくして妻が長男をなだめている間、私は味わう余裕もなく胃腸に流し込み、妻が食べている間、私は席に座っているよりは立っているほうがまだ楽なので、長男を抱いて、しばし機内の散歩へと出かける(追いやられる)のであった。
飛行時間はおよそ七時間。昼寝の時間を挟み、後半戦が長かった。身体を動かしたくて仕方ない長男を抱き、私と妻は交互に席を立つ。最も有効なのは、外の景色を眺めさせることであった。乗務員席の横に窓があり、そこに何度も連れ出しては、雲と海の景色を眺めさす。すると麗しきスチュワーデスのお姉さんが話しかけてきたりして、我が子をダシにお父さんは一石二鳥だったりもするわけである(男性乗務員や、おばさんスッチーの場合もあるのだが、それもまた悪くはない……)。
また、もう一つの問題としてトイレがあるが、機内のトイレにも、ちゃんとおむつ交換用の台が備えられており、これはさして問題がなかった。はぢめての飛行機に興奮した長男が、爆撃機さながらに実弾を連発したことは言うまでもない。
はぢめてのツアー、送迎される事実に戸惑いながら
二時間の時差を修正し、十六時過ぎにプーケット着陸。飛行機を降りて、すぐベビーカーを受け取れると聞いていたのだが、引き渡されず。長男を抱えたまま、入国審査の長蛇の列に並ぶことになった。その時点でちゃんとベビーカー押している家族もおり、乗機時に強く確認しておくことが肝要だったらしい。
ともあれ、無事にタイ入国、いつもならここで、適当な交通手段を探し、自力で市街へ向かい、そこで安宿探しというところなのだが、今回は送迎付きであり、ホテルも決まっている。海外旅行には慣れすぎるほど慣れているはずなのに、まるで初心者のようにその手順に戸惑いながら、日本語達者な現地ガイドの兄ちゃんに案内され、ワゴン車に乗り込む。
そして、プーケット一賑やかといわれるパトン・ビーチへ。
【パトン・ビーチの夕陽】
【浜辺にぽつねんと座る日本男児】