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チャリダー養成講座/第十六回 下痢との戦い



またまた汚い話。風邪を引いたり、下痢になったり。さあ、どうする?

 自転車で世界一周したなどという話をすると、病気はしなかったのか、とよく聞かれることがあります。チャリダーにとって、あるいは旅行者にとって、最も身近に押せ寄せる問題として、海外における病気の問題があります。

 まずはありがちな風邪、そして下痢の症状についてお話しします。

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●風邪

 最近はこう言ってもあまり信じてもらえないことが多いのですが、私は身体が決して強いほうではありません。手術や入院のような決定的な病気や怪我はしたことがないのですが、風邪はしょっちゅう引きます。年に最低でも一回か二回は熱を出して寝込みます。国内において私が体調を崩すパターンはたいがい決まっていて、寝不足や疲労が溜まってきたところに、ちょうど急に寒くなったり気候の変化がぶつかると、すぽんと風邪を引いてしまいます。

 海外においても、同様のパターンで風邪を引いたことが何度かありました。思いつくままに挙げてみると、ホンジュラス、エジプト、トルコ、インドなどの国々で、私は風邪を引いて熱を出しています。この場合、日本で体調を崩す場合と比較的症状が似ているので、温かい恰好をしたり、果物を多めにとったり、まあごく普通の対処をしました。いつもの風邪だと分かっているので、さして不安になることもありません。

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●下痢

 下痢のことを英語でdiarrheaといいます。私はこの単語を旅行中に初めて覚えました。二年半の旅の間に、何度となく下痢に苦しみました。

 チャリダーのみならず海外で下痢を経験する旅行者は数多くいます。お腹の弱い人であれば、ヨーロッパ旅行であっても、水質の違いによって下痢になってしまうことがあるといいます。たとえ生水を飲まないように気をつけていても、脂っこい料理が原因で下痢になることがあります。

 さて、下痢と一口に言っても、ただ便が軟らかいなあという程度のものと、ひどい水下痢の場合と、その症状は様々です。

 おそらく日本で経験する下痢は前者のような軟便程度の場合がほとんどだと思います。ちょっと体調を崩した、賞味期限ギリギリのものを食べてしまったなど、原因も比較的明らかで簡単でしょう。海外においても、慣れない生活で疲労が溜まったようなときには、もちろん個人差はありますが、軽い下痢になることがあります。

●水下痢

 問題は水下痢の場合。これは私も日本では経験したことがないので、なかなか経験したことがない人も多いと思います。完璧な液体の下痢です。度々の汚い話で恐縮ですが、茶色い水がそのまま肛門から噴出されます。しゃーっと音をたてて出ます。普通の下痢も我慢するのが大変ですが、水下痢になるとその数倍大変です。そして便が硬く正常に戻るのにも、ちょっとやそっと時間がかかります。

 下痢の原因は水であり、食べ物であり、疲労です。これは日々気をつけて体調を整えながら旅を続けるしかないのですが、症状のひどい水下痢の場合、その原因は細菌であるといわれます。

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●卵げっぷ

 細菌性の下痢です。旅人の間で有名なのが卵げっぷと呼ばれる症状で、この状態が始まると、卵の腐ったような臭いのするげっぷを繰り返すようになります。お腹の中で細菌が活動し、ガスを発生し、そのガスが卵げっぷとして口から排出されるのです。同時にそのガスは腸を通過して肛門からおならとして出る場合もあります。その過程で便にも影響し、水下痢に苦しむことになるのです。

 細菌が体内に取り込まれ活動を開始すると、発生したガスのため、まずひどい胸焼けがします。まもなく卵げっぷが口から出てくるようになり、水下痢の合図となります。通常の下痢以上に便所が近くなるので、とても辛いです。

 私は何度もこの細菌性の下痢を経験したために、だんだんと慣れっこというか、胸焼けがするたびに、ああまた始まったかと、分かるようになってしまいました。

●嘔吐

 風邪や下痢と連動して、嘔吐があります。日本では、お酒を飲み過ぎた場合を別として、風邪を引いたり、お腹をこわしたりしても、滅多に吐くことはありませんから、吐いてしまったという事実自体が、余計な不安感を煽ります。

 自転車旅行ではないのですが、韓国旅行から帰ってきた次の日の朝に吐いたことや、新婚旅行のペルーの宿で夜中に吐いたことがあります。どちらも一種の食中毒だったのだろうと思います。

 医者ではありませんのでいい加減なことはいえませんが、気持ち悪くなったら遠慮なく吐く、吐いたら楽になる、そのぶん水分をしっかり補給する、それでたいていは大丈夫なはずです。あんまり食中毒をびびって、庶民的なおいしい食べ物を避けてしまったら、せっかくの旅がつまらないものになってしまいます。

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●下痢の対処法

 下痢がひどい場合の対処方法としては二つあります。一つは薬、もう一つは水です。

 私は薬嫌いなのであまり頼りませんでしたが、下痢の薬は地元の薬局で簡単に手に入ります。人によっては「すぐに治った」といいます。

 二つ目の方法。水が原因で下痢になったのに水とはどういうことだと思うかもしれませんが、これはなるべく多くの水分をとるという意味です。下痢は脱水症状を招きやすいですから、なるべく水分をとる。食欲も減退し、栄養不足になりがちなので、果物やジュースがよいでしょう。たくさん飲んで、たくさん出せば、それだけ早く細菌くんたちも出ていってくれます。

 下痢はたしかに辛いです。二週間も下痢が続いて、やっと硬い便が出たときの喜びといったら、それはもう極上の幸せであり、それにもかかわらず二日後にまた下痢になったときの悲しさといえば筆舌に尽くし難いものがあります。

 でも所詮下痢です。

 しっかり栄養とって、また旅を続ければよいのです。

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