ランタン上げで人気の十分、台北から電車を乗り継いで行く方法
台北郊外の観光地として近年人気が高いのは、ランタン(天燈)上げで知られる十分。同じく定番の見どころとなった九份とあわせて、日帰りで訪れる人も多いと思います。手軽に訪れるならツアーを利用する方法もありますが、自力で行くのであれば鉄道が便利。ただし台北から直通電車はなく、途中の瑞芳で乗り換える必要があります。山と渓谷の景色が美しい十分へ、ローカル鉄道の旅もおすすめです。
目次
1.台北車站から出発、あらかじめ列車種別の確認を
2.台湾の日常風景、快適な近郊電車に揺られて瑞芳へ
3.風光明媚な山あいを進むローカル鉄道の平渓線
4.瑞芳からおよそ30分で十分に到着、十分から九份へ行きたいときは?
1.台北車站から出発、あらかじめ列車種別の確認を
まずは交通の中心、中央駅に相当する台北車站へ。地下鉄、近郊電車(台鐡)、さらには台湾高鉄(台湾版新幹線)も発着する一大ターミナル。外から見ると、駅舎というよりはまるで中国のお城のような四角四面の外観に圧倒されます。内部も広く、地下鉄の改札と近郊電車の乗り場は距離がありますので、時間に余裕を持って。「台鐡(TRA)」と書かれた案内表示を目指してください。ちなみに台湾の漢字では鉄道のことを「火車」、駅のことを「站」と書きます。
路線網は東西の2方向しかないのでシンプル。ただ基隆行きは手前で分岐することと、一部の特急列車(新自強号、太魯閣号、普悠瑪号など)は瑞芳に停車しないものがあるので注意。あらかじめ時刻表で乗る予定の電車を確認しておくのがおすすめです。※当ページの末尾にリンクあり
ホテルの所在地によっては台北駅ではなく松山駅、あるいは萬華駅、南港駅の選択肢もあります。急行/快速タイプが停まらない場合もあるので、確認の上で利用してみてください。
2.台湾の日常風景、快適な近郊電車に揺られて瑞芳へ
台北から瑞芳まで各駅停車で51分、快速電車や特急タイプの自強号なら40分弱で到着するものもあります。ちなみに台北始発の電車はなく、西の樹林や新竹方面からやって来ます。停車時間は数分ですので、あらかじめホーム(漢字で「月台」)を確認して待ちましょう。車両タイプは電車によって違いがあると思いますが、私たちが乗ったのは日本でもおなじみの通勤仕様のロングシート。車内は清潔で電光掲示の案内も分かりやすくて快適でした。
沿線風景、台北から2つめの南港駅あたりまでは都会が続き、やがて郊外の住宅街、そして緑の多い景色へと移り変わっていきます。台北都心部まで通勤圏、このあたりから毎日通っている人も少なくないのでしょう。そんな日常を垣間見れるのも電車旅の楽しさです。
3.風光明媚な山あいを進むローカル鉄道の平渓線
瑞芳はいかにも郊外の乗り換え駅という雰囲気。海のほうへ行く深澳線、山のほうへ行く平渓線(平溪線)が分岐しています。九份方面のバスも発着するため、観光客が集まる駅でもあります。海外での、しかもローカル線の乗り換えは難易度が高めですが、台湾のありがたいのは漢字が通じるところ。大きく案内が出ていますので間違える心配は少ないでしょう。平渓線の運行はおよそ1時間に1本、台北からの電車との接続によっては、乗り換え時間に余裕があるかもしれません。
元々は日本統治時代に炭田開発のために敷設されたと言われる平渓線。山あいの線路はトンネルや橋梁の区間も多く、営業距離わずか13キロの単線ですが、2013年には神奈川県の江ノ島電鉄(江ノ電)と友好鉄道協定を締結したこともある風光明媚な路線です。
十分以外にも猫の村として知られる猴硐や、日本時代の木造駅舎が残る終着駅の菁桐などの見どころがある平渓線。台湾からの日帰り旅として、のんびり途中下車もおすすめです。
4.瑞芳からおよそ30分で十分に到着、十分から九份へ行きたいときは?
瑞芳から十分までは4駅およそ30分、駅を降りるとすぐに屋台のお店や土産店があり、観光客の流れに沿って行けば賑やかな町の中心へ。線路からランタンを飛ばしている風景が早速見られるでしょう。十分から台北へ帰るときは同じ行程を逆に進むだけ、まずは平渓線で瑞芳に戻りましょう。
十分から九份へ行きたいときは、やはり瑞芳に出てバスに乗るか、あるいは直接行くのであれば公共交通はないのでタクシーを使うことになります。平渓線は本数が少ないので、急ぐときはタクシーにするのも一案です。