『千と千尋』の舞台?九份、台北から電車とバスで行く方法
台北郊外の観光地として不動の人気を誇る九份。かつて金鉱山で栄えたレトロな街並みが、台湾映画『非情城市』の舞台として、さらに21世紀になってからはジブリ映画『千と千尋の神隠し』の雰囲気に似ているとされ、多くの旅行者が訪れるようになりました。難点は山あいの立地で交通が不便なこと。手軽に行くなら台北発の日帰りツアー、自力で行くなら鉄道とバスを乗り継いで行くことになります。
目次
1.台北車站から出発、あらかじめ列車種別の確認を
2.台湾の日常風景、快適な近郊電車に揺られて瑞芳へ
3.瑞芳駅から5分ほど歩いたところに九份行きのバス乗り場
4.瑞芳からおよそ15分で九份に到着、台北中心部からの高速バスも
1.台北車站から出発、あらかじめ列車種別の確認を
まずは交通の中心、中央駅に相当する台北車站へ。地下鉄、近郊電車(台鐡)、さらには台湾高鉄(台湾版新幹線)も発着する一大ターミナル。外から見ると、駅舎というよりはまるで中国のお城のような四角四面の外観に圧倒されます。内部も広く、地下鉄の改札と近郊電車の乗り場は距離がありますので、時間に余裕を持って。「台鐡(TRA)」と書かれた案内表示を目指してください。ちなみに台湾の漢字では鉄道のことを「火車」、駅のことを「站」と書きます。
路線網は東西の2方向しかないのでシンプル。ただ基隆行きは手前で分岐することと、一部の特急列車(新自強号、太魯閣号、普悠瑪号など)は瑞芳に停車しないものがあるので注意。あらかじめ時刻表で乗る予定の電車を確認しておくのがおすすめです。※当ページの末尾にリンクあり
ホテルの所在地によっては台北駅ではなく松山駅、あるいは萬華駅、南港駅の選択肢もあります。急行/快速タイプが停まらない場合もあるので、確認の上で利用してみてください。
2.台湾の日常風景、快適な近郊電車に揺られて瑞芳へ
台北から瑞芳まで各駅停車で51分、快速電車や特急タイプの自強号なら40分弱で到着するものもあります。ちなみに台北始発の電車はなく、西の樹林や新竹方面からやって来ます。停車時間は数分ですので、あらかじめホーム(漢字で「月台」)を確認して待ちましょう。車両タイプは電車によって違いがあると思いますが、私たちが乗ったのは日本でもおなじみの通勤仕様のロングシート。車内は清潔で電光掲示の案内も分かりやすくて快適でした。
沿線風景、台北から2つめの南港駅あたりまでは都会が続き、やがて郊外の住宅街、そして緑の多い景色へと移り変わっていきます。台北都心部まで通勤圏、このあたりから毎日通っている人も少なくないのでしょう。そんな日常を垣間見れるのも電車旅の楽しさです。
3.瑞芳駅から5分ほど歩いたところに九份行きのバス乗り場
瑞芳駅には出口が2つありますが、老街方面の北口に出てください。駅前は広場になっていてバス停やコンビニがあり、いかにも地方の小都市という雰囲気です。ただ駅前すぐにあるバス停からは九份へは行けません。観光客向けに案内板がありますので分かりやすいと思いますが、向かって左手、目抜き通りに沿って西へ数分歩いたところ、区民広場に面して九份方面へのバス停があります。
バスの本数は多いですが、何番のバスが九份まで行くのか案内表示が出ているので、間違える心配は少ないでしょう。こんなとき同じ漢字圏で字が読めるというのも助かりますね。
4.瑞芳からおよそ15分で九份に到着、台北中心部からの高速バスも
瑞芳の町を出て川沿いの道を進み、やがてつづら折りの山道へ。車酔いしやすい人には厄介ですが、15分ほどで着きますのでご安心を。中華風の宮殿のような建物が山肌に見えると、まもなく九份老街に到着です。なおバス路線の中には台北中心部と九份を直接結ぶ高速バスもあります。台北駅に近い北門、あるいは西門から直通しています。もちろん往復バスでもよいですし、十分とあわせて周遊する場合など、片道を鉄道+バス、片道を高速バスと使い分けるのも一案です。
注意点として、瑞芳~九份間のローカル区間は満席でも通常のバスのように立って乗ることができますが、台北~瑞芳間の高速道路区間は立ち席が認められていません。瑞芳のバス停でやむなく降ろされている乗客の事例がありましたので注意してください。