ウルル絶景ハイキング、エアーズロック・マラウォーク
オーストラリアを代表する世界遺産の観光地と言えば「世界の中心」ウルル(エアーズロック)。先住民アボリジニの聖地としても知られ、2019年10月26日をもって登山は禁止になりました。しかし登ることができなくなったからといって、その魅力に変化はありません。代わりにおすすめなのがハイキング。一枚岩のウルルの周りには、角度によって異なる眺望や、アボリジニの歴史文化を感じることのできる、いくつものハイキングコースがあるのです。
ここではお手軽かつ人気の高い、マラウォーク(Mala Walk)のコースをご案内します。
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目次
1.ウルルの西側、往復2キロのお手軽ハイキングコース
2.巨大な一枚岩を見上げながら平坦で歩きやすい道
3.アボリジニが暮らした洞窟や壁画など、文化的な史跡も必見
4.写真撮影が禁止されているセンシティブゾーンに注意
5.緑が多く日陰もあるけれど、日焼けや熱射病にくれぐれも備えて
1.ウルルの西側、往復2キロのお手軽ハイキングコース
マラウォークはウルルの西側を歩く片道1キロ、往復2キロのコース。カルチャーセンターからウルル周回道路を右回りに進んでいくと、まもなくハイキングのスタート地点となるマラウォークの駐車場があります。かつてウルルの登山が可能だった頃は、登山口としても使われていた場所になります。
また駐車場からカルチャーセンター方面にも、リルウォークと呼ばれる別のハイキングコースが続いています。時間がある人は合わせて歩いてみてもよいでしょう。
ちなみにマラというのは有袋類ワラビーの一種で、かつてこの一帯に暮らしていた先住民マラ族の祖先という言い伝えがあるそうです。
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2.巨大な一枚岩を見上げながら平坦で歩きやすい道
駐車場から歩き始めると、開けた景色の正面にウルルの岩肌がそびえて見えます。灌木が茂っていて意外と緑が多く、ウルルの岩壁を見ればところどころ幾筋もの黒い線が通っていることが分かります。ときおり降る雨が流れる道筋が、年月を経て黒い線の模様のようになっているのでしょう。
道は平坦で広く歩きやすいですが、マウンテンバイクツアーで使われることもあるようで、何台かの自転車とすれ違いました。道沿いには花が咲いていたり、木々の枝には小鳥が停まっていたり、自然の息吹を感じながらの道のりです。
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3.アボリジニが暮らした洞窟や壁画など、文化的な史跡も必見
マラウォークの大きな見どころと言えば、かつてこの地に住んでいたアボリジニの住居跡が続いていることです。ウルルの岩肌に大きな穴が空いている箇所があり、台所として使われていたばしょだったり、年配者たちの暮らす空間であったりと、それぞれに用途や役割が分けられていたようです。
一部の洞窟には鮮やかな壁画も残されています。渦巻き模様や葉っぱのような模様の絵を見ることができます。大人たちが若い世代に、狩りの仕方や生活の技術など様々なことを教えるために使われていたそうです。
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4.写真撮影が禁止されているセンシティブゾーンに注意
気を付けたいポイントとして、コースの途中に写真撮影禁止のセンシティブゾーンがあります。ウルル一帯が先住民アボリジニの聖地であることはよく知られていることだと思いますが、その中でも特に重要とされるエリアであり「聖域」になっています。
センシティブゾーンに指定されているのはここだけではなく、ウルルの南側の一部、および北側の広い範囲も含まれています。撮影禁止のほか、車で走る場合に停車禁止のゾーンもありますので配慮が必要です。
駐車場から歩くことおよそ30分、ひときわ緑が多く、背の高い木々もあって林のようになっているところがあります。ここまで来るとまもなくゴール、雨水が溜まって池となった終着点カンジュ・ゴージに到着です。砂漠地帯にあってオアシスのような水場があるからこそ、人々の生活が成り立ち、動植物も育つことができるのですね。
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5.緑が多く日陰もあるけれど、日焼けや熱射病にくれぐれも備えて
マラウォークは平坦で、距離もさほど長いわけではなく、子供でも高齢者でも気軽に歩くことができます。意外と緑も多くて日陰になる箇所もあり、見どころも多い楽しいコースです。
とはいえ乾燥した砂漠地帯、季節や時間帯によっては気温35度を越えた猛暑となることを忘れずに。帽子をかぶったり、日焼け止めを塗ったり、もちろん充分な飲料水の携帯は必須です。強い日差しで想像以上に体力を消耗することもありますので、しっかり準備をして歩くようにしましょう。
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