巨岩そびえるダートムーア、ホームズ『バスカヴィル家の犬』の舞台
イギリス南西部のダートムーア、広々とした湿地帯に巨大な花崗岩がそびえる独特な景観が印象的な国立公園です。日本ではそれほど知名度が高くありませんが、アウトドア好きなイギリス人にとっては人気の観光地。シャーロック・ホームズの名作『バスカヴィル家の犬』の舞台としても知られています。荒涼とした異世界のような景色は、写真で見る以上の迫力があります。主だった見どころやおすすめについてご紹介します。
目次
１．イングランド南西部のエクセターまたはプリマスから
２．ダートムーアのシンボル、巨大な岩ヘイトアロック
３．ホームズの名作『バスカヴィル家の犬』では…
４．映画に出てきそうなパブで一服がおすすめ
１．イングランド南西部のエクセターまたはプリマスから
ダートムーア国立公園は東京23区とほぼ同じくらいの広さがあります。３億年以上昔の石炭紀にできたと言われる花崗岩、そして泥炭で覆われたムーアと呼ばれる湿原を形成しています。観光の拠点となる町はエクセター、またはプリマス。どちらの町からも車で小１時間ほどの距離、車が無いとちょっと行きづらいのが難点でしょうか。国立公園内に複数の村落があり、宿泊施設や飲食店、キャンプ場などもあります。
２．ダートムーアのシンボル、巨大な岩ヘイトアロック
代表的な見どころと言えばヘイトアロック。国立公園の東部、標高の一番高いエリアにあり、湿地帯の丘の上に巨大な岩がそびえている姿を見ることができます。
ビジターセンターから歩いて15分ほど、もう少し近いところにも駐車場があります。たいした距離ではないのですが、天候状況によっては風がものすごく強いこと、辺り一面ぬかるんでいることから、歩くのはなかなか大変です。汚れてもいい格好、防寒具を用意して訪れましょう。
間近まで来ると、岩の大きさを実感できます。よじ登っていくこともできます。ただ柵などは無く、滑りやすいので自己責任で。岩の上からは周辺の湿地や丘陵地帯、点在する集落や遠くの海のほうまで、360度の絶景が広がっています。
３．ホームズの名作『バスカヴィル家の犬』では…
ダートムーアは、あの名探偵シャーロック・ホームズの長編『バスカヴィル家の犬』の舞台としても知られています。バスカヴィル家の当主が遺体で発見され、そばには巨大な犬の足跡が残されていた。そんな事件から幕を開ける物語。シリーズの最高傑作とも言われています。
物語の中でホームズやワトソンは実際にダートムーアの地を訪れ、沼地を歩いたり、岩室に潜伏したりするのですが、小説を読んだりドラマを見たことがある人は、きっとストーリーに出てくる内容そのままの景色に出会うことができるでしょう。もっとも恐ろしい魔犬はおらず、代わりにいるのは、たくさんの羊たちです。
４．映画に出てきそうなパブで一服がおすすめ
園内を散策、雄大な景色をの楽しんだ後は、風情のあるパブで休憩はいかがでしょうか？ 下記の写真はヘイトアロックから西へ車で５分余り、Widecombe という小さな集落。ホームズの時代からそのまま変わっていないような教会の尖塔と、数軒の飲食店や土産店が集まっています。
イギリス式の紅茶をいただくのもいいですし、食事をとることもできます。地元の人たちの憩いの場になっているようで、のんびりとした時間が流れている場所でした。
