ラウターブルンネン&ヴェンゲン&ミューレン、ユングフラウの村々を歩こう
見どころあふれるユングフラウ地方。多くの観光客が集まるインターラーケンやグリンデルワルト、あるいはヨーロッパ鉄道最高点のユングフラウヨッホのほかにも、魅力的な場所がたくさんあります。その中で時間があればおすすめなのが、グリンデルワルトとはメンリッヒェンを挟んで反対側、西側エリアに点在する素朴な村々。のんびり滞在したいヨーロッパ人に人気の高いラウターブルンネン、ヴェンゲン、そしてミューレン。アクセス方法や楽しみ方についてご案内します。
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目次
1.インターラーケンやグリンデルワルトからどうやって行く?
2.ユングフラウ西側エリアの中心、滝のある町ラウターブルンネン
3.メンリッヒェンの山とラウターの谷に挟まれた、明るい村ヴェンゲン
4.崖の上の隠れ里、一般車通行禁止のかわいい村ミューレン
5.高さは富士山の9合目、高山病と防寒には気をつけて
1.インターラーケンやグリンデルワルトからどうやって行く?
インターラーケンからラウターブルンネンへは直通電車で22分。30分に1本の頻度で運行しています。ヴェンゲンやミューレンへ行くにはラウターブルンネンで乗り換えです。詳しくは後述します。グリンデルワルトからラウターブルンネンやヴェンゲン方面へ行くには3つの方法があります。一番早いのは、まずインターラーケン行きの電車に乗り、途中の分岐駅ツヴァイリュチーネンで乗り換えてラウターブルンネンへ向かう方法です。まっすぐ行きたい場合はこのルートになるでしょう。
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2つめはクライネシャイデックで乗り換える方法。途中の観光を兼ねて、登山鉄道を乗り継いでいくのも楽しいですね。もしくは3つめ、グリンデルワルト・ターミナル駅からゴンドラでメンリッヒェンへ行き、メンリッヒェンから再びゴンドラでヴェンゲンへ行く、というルートもあります。
決して急ぐ行程ではないと思いますので、のんびり他の見どころにも立ち寄りつつ、行きと帰りでルートを変えるのもおすすめです。地図を見ながら回り方を考えてみてください。
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2.ユングフラウ西側エリアの中心、滝のある町ラウターブルンネン
ヴェンゲンやミューレンなどの村々を訪ねるにあたって、観光や交通の拠点となる町がラウターブルンネン。インターラーケンからの直通電車が発着し、さらにヴェンゲンを経由してクライネシャイデックや、ミューレン方面に向かう分岐点でもあります。
地形的には断崖に挟まれたU字型の谷にあたり、滝が多く景観豊かな町。ヴェンゲンやミューレンへは車で行くことができないため、自家用車でやってくるヨーロッパの観光客はラウターブルンネンの駐車場に車を停めることになります。目抜き通りはやや交通量が多いので注意してください。
町の大きさはグリンデルワルトに比べれば小さく、鉄道駅を降りてすぐ道を挟んだ反対側に、ミューレン方面へ行くロープウェイの発着駅があります。ホテルや土産店などが並ぶメインの通りを南へ歩いていくと、右側の崖から流れ落ちてくるシュタウプバッハの滝を眺めることができます。
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3.メンリッヒェンの山とラウターの谷に挟まれた、明るい村ヴェンゲン
ラウターブルンネンからクライネシャイデック方面の登山電車で12分、もしくはグリンデルワルトとの間にある展望台メンリッヒェンからのゴンドラで行くこともできるヴェンゲン。山と谷に挟まれた山腹に広がる人口1000人ほどの村で、明るく開けた雰囲気の良いところです。
谷へつながる道路がなく、電気自動車が走るだけで空気がきれいなヴェンゲン。ホテルや長期滞在者向けのアパートも多く、ハイキングやスキーの拠点としても人気があります。あるいはグリンデルワルトやインターラーケンではなく、より静かなヴェンゲンに宿泊するという選択もありかもしれません。
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4.崖の上の隠れ里、一般車通行禁止のかわいい村ミューレン
ラウターブルンネンの西側にそびえる断崖の上に立つ村ミューレンは、訪れるが少し面倒です。ラウターブルンネンからロープウェイでグリュッチアルプへ行き、さらにミューレン行きの乗り換える必要があります。
とはいえ移動手段を含めて楽しめるのがユングフラウの旅のよいところ。標高800メートルのラウターブルンネンから、1486メートルのグリュッチアルプへ、一気に崖を越えて上っていく大型ロープウェイからの眺めは秀逸。さらに標高1638メートルのミューレンへ行くのは1両編成の小さな電車。世界中から観光客がやって来るからこそ、一昔前であれば辺境の地だった場所への公共交通が成り立つのでしょう。
ミューレンもヴェンゲン同様に一般車両が制限されており、高層の建物もなく、緑豊かでおとぎ話にでも出てくるような静かな雰囲気。とはいえ何も無いわけではなく、近郊の展望台へ行くケーブルカーやロープウェイが発着、ハイキングコースもあるので、しばし滞在してのんびりするのもおすすめです。

5.ユングフラウ地方、鉄道アクセス&移動時間ガイド
ユングフラウ地方の鉄道は、北のインターラーケン、東のグリンデルワルト、南のクライネシャイデック、西のラウターブルンネンを頂点に、ひし形を描くような位置関係になっています。(正確に言うと、ひし形の北側の頂点は乗換駅のツヴァイリュチーネンで、インターラーケンはさらに北方に位置)
各区間の所要時間と運行間隔は次のとおり。さらにゴンドラやロープウェイの路線が枝葉のように伸びています。詳しくはリンク先のサイトで時刻表検索ができますので活用してください。
・インターラーケン東(オスト)~グリンデルワルト … 所要36~37分、30分間隔
・グリンデルワルト~クライネシャイデック … 所要32~39分、30分間隔
・クライネシャイデック~ラウンターブルンネン … 所要38~41分、30分間隔
・ラウンターブルンネン~インターラーケン東(オスト) … 所要22分、30分間隔
・グリンデルワルト~ラウンターブルンネン … 所要38~39分、30分間隔、ツヴァイリュチーネン乗換