絶景列車ゴールデンパスライン、ルツェルンからインターラーケン、モントルーへ
スイスを訪れたなら一度は乗りたい絶景列車。一般的に4大特急と呼ばれるのは氷河急行、ベルニナ急行、ゴッダルト・パノラマ・エキスプレス、そしてゴールデンパスライン。この記事では予約の必要が無く、観光ルートの途中で気軽に利用しやすいゴールデンパスラインを紹介します。古都ルツェルンからアルプス観光の中心インターラーケン、さらにはレマン湖畔のモントルーへ。峠を越えて高原の湖を眺めて走る"黄金の道"、それでは出発進行!
目次
1.予約無しでも乗車可能、気軽に乗れるのが魅力
2.起点となるのは古都ルツェルン、1時間に1本の出発
3.ブリュニックまでは峠の上り、歯状のレールが敷かれたアプト式鉄道
4.青が美しいブリエンツ湖に沿ってインターラーケンに到着
5.3種類の列車を乗り継いでスイス横断、モントルーへ
1.予約無しでも乗車可能、気軽に乗れるのが魅力
ツェルマット~サンモリッツ間の氷河急行や、クール/サンモリッツ~ティラーノ間のベルニナ急行が予約必須であるのに対し、ゴールデンパスラインは予約無しで気軽に利用することができます。その理由は運行本数が多いから。乗り放題のスイストラベルパスでそのまま乗車もできます。ただし先頭の展望車両に乗りたいような場合は事前に予約が必要です。ルツェルンからモントルーまでは全長およそ250キロ、途中の町に立ち寄りながら部分的に乗車するのもよいでしょう。
2.起点となるのは古都ルツェルン、1時間に1本の出発
起点となるのはスイス中央部のルツェルン。チューリッヒからも小1時間でアクセスしやすいところです。地方都市と侮るなかれ、近郊列車含めて各方面へ多くの列車が発着していますので、時間に余裕を持って駅の発着案内を確認しましょう。ちなみに下記の写真、真ん中ほど10:06発のインターラーケン行きが目的の列車、13番線と表示されています。
運行頻度は1時間の1本! インターラーケンまでの所要時間は1時間49分。朝早めに出発するもよし、午前中はルツェルンを観光して昼過ぎに出るもよし、観光予定にあわせて計画してみてください。
3.ブリュニックまでは峠の上り、歯状のレールが敷かれたアプト式鉄道
ルツェルンを出発するとまず右手に見えてくるのがピラトゥス山、ルツェルン郊外の観光地として人気です。一方で左手には青々と水をたたえたフィアヴァルトシュテッター湖。早速どちらを見ても素晴らしい景色が広がっています。いくつかの町に停車しつつ、列車は次第に高度を上げていきます。標高430メートルのルツェルンから1000メートル超のブリュニックへ。時おり苦しそうに上りながら、途中で停車して下ってくる列車とすれ違うことも。線路をよく見ると、2本のレールの真ん中に歯状のレールがもう1本敷かれているのが分かります。機関車の歯車とかみ合わせることで急勾配を登れるようにする、アプト式と呼ばれる鉄道なのです。
小さな駅に泊まるたび、ザックを背負った旅行者が乗り降りします。おそらくどの町にも宿があり、かつての峠道を行くトレッキングコースなどがあるのでしょう。一気に行き過ぎてしまうのが、もったいなくも感じられる景勝ルートです。
4.青が美しいブリエンツ湖に沿ってインターラーケンに到着
峠を越えて下ったところがマイリンゲン。かの名探偵シャーロック・ホームズゆかりの地、モリアーティ教授と対決し、そして転落したとされるライヘンバッハの滝が近くにあります。マイリンゲンを過ぎると平坦な道のり、左側に広々とした青い湖が見えてきます。長さ15キロ、東西に細長く伸びたブリエンツ湖。対岸に見える山並みが美しく、湖のまさに畔に建てられたブリエンツ駅は絶景のプラットホームです。
飽きることなくブリエンツ湖の景観を眺めていると、まもなく列車はインターラーケンに到着します。グリンデルワルト方面への登山鉄道が発着するインターラーケン東(オスト)駅です。
5.3種類の列車を乗り継いでスイス横断、モントルーへ
日本の鉄道もJRや私鉄によって線路の規格(幅)が異なることがありますが、ゴールデンパスラインは3つの鉄道会社の区間に分かれ、それぞれ線路幅も異なっています。ルツェルンからインターラーケンまでがツェントラル鉄道(ZB)、インターラーケンからツヴァイジンメンまでがBLS、そしてツヴァイジンメンからモントルーまでがモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB)、それぞれ乗り換えが必要となります。
インターラーケン東(オスト)駅からトゥーン湖沿いを西へ。北のベルン方面や南のイタリア方面との分岐の町シュピーツを過ぎて、再び山間部、標高を上げながらツヴァイジンメンへ。高原リゾートのグシュタートを経て、レマン湖畔のモントルーを目指します。
モントルーからさらに乗り継いで、ローザンヌやジュネーブまで旅を続けてもよいですね。スイスの主要都市や観光地をつなぐのにも便利なゴールデンパスライン、ぜひ旅のルートに組み入れてみてください。