世界遺産の首都ベルン、チューリッヒやインターラーケンから行くには?
スイスの首都はどこでしょう? クイズに出てきそうなこの問題、正解率は少し低いかもしれません。チューリッヒやジュネーブのほうが有名ですが、この国の首都はそのどちらでもなく、中間に位置するベルンという町です。ドイツ語圏のチューリッヒとフランス語圏のジュネーブ、互いの争いを避けるために、間にあるベルンが選ばれたという話もあります。町の規模としてはさして大きくないのですが、スイスの中央部に位置する交通の要衝、なおかつ中世の街並みが残る旧市街は世界遺産に指定されています。
素通りするのはもったいない首都ベルン、見どころやアクセス方法についてご案内します。
目次
1.一国の首都だけど町の大きさは5番目?
2.中世の街並みが残る世界遺産、ベルン旧市街の見どころ
3.町のシンボル熊の公園にも立ち寄ってみよう
4.最大都市チューリッヒから1時間余り、空港直通の特急列車もありも
5.アルプス観光へ行くにもドイツ方面への移動も自在
1.一国の首都だけど町の大きさは5番目?
スイス最大の都市はチューリッヒ、2番はジュネーブ、以下バーゼル、ローザンヌと続いて、ベルンは5番目(ローザンヌを抑えて4番とされることも)、人口14万人の小都市です。国際空港があるのもチューリッヒやジュネーブ。ベルンにも一応空港はあるのですが、現状チャーター便などの運航のみに限られ、あまり利用されることはありません。
交通の中心となるのはベルン中央駅、近郊電車や路面電車も集まるターミナルです。旧市街の主要な見どころは、駅から歩いて回れる範囲にあります。ホテルをとってじっくり観光するもよし、駅のコインロッカーに荷物を預けて、チューリッヒやインターラーケンへの移動途中に立ち寄ってみるもよし。旅程に合わせてベルン観光を楽しんでみてください。
2.中世の街並みが残る世界遺産、ベルン旧市街の見どころ
ベルンは旧市街全体が世界遺産に指定され、中世の街並みがそのまま残っています。戦争や火事で破壊されることもなく、15世紀当時の建物がそのまま残っているのはヨーロッパでも珍しいそうです。中央駅を降りたら、まっすぐ東へ目抜き通りを進みましょう。シュピータル通り、マルクト通り、クラム通りと名前を変えていくメインストリートは、アーレ川に囲まれた旧市街の真ん中を貫いており、道沿いを歩くだけでもひと通りの名所を見ていくことができます。
まず現れるのが街の西門として機能していた牢獄塔。実際に19世紀末まで牢獄として使われていたそうです。続いて街のシンボル時計塔、毎正時4分前になるとからくり時計が動き出します。中央駅からここまで徒歩10分程度。通りを一本南側へ行くと、スイス随一100メートルの高さを誇る大聖堂があります。
そのほか目抜き通りに沿っては、彫刻が施された趣のある幾多の噴水があり、トラムやバスが行き交い、賑やかで活気のある雰囲気です。かの天才物理学者アインシュタインが若い頃に住んでいた家もありますので、興味のある人は立ち寄ってみてください。
3.町のシンボル熊の公園にも立ち寄ってみよう
時計塔からさらにまっすぐ西へ歩くこと約10分、道は下り坂になり、やがて視界が開けてきます。旧市街の先端、アーレ川に架かるニーデック橋、川を挟んで広がる街並みを一望でき、とても眺めの良いところです。橋を渡った先にあるのが熊公園。ベルンという町の名前は熊に由来し、熊は町のシンボルとされています。この熊公園、実際に熊が飼われており、柵越しに散歩している様子を見ることもができます。ちなみに日本では野生の熊が里に下りてきて被害を及ぼすなどのニュースが度々ありますが、スイスではすでに野生の熊はいないそうです…。アルプスの山々に熊がいたのは昔のことだと思うと、少し複雑な気持ちにもなりますね。
さらに坂道を登っていくと、もう1つの見どころであるバラ公園があります。旧市街を一望できる展望台でもあり、春になると桜が咲き誇るところです。
4.最大都市チューリッヒから1時間余り、空港直通の特急列車もあり
交通の要衝ベルンは、最大都市のチューリッヒから特急列車インターシティで1時間弱、ジュネーブ行きやインターラーケン行きなど最終目的地は様々ですが、ベルンまでは途中の停車駅が無くノンストップ、30分に1本の頻度で運行しているので簡単にアクセスすることができます。(停車駅の多い急行タイプの電車もあります)本数は少ないですがチューリッヒ空港から乗り換えなしで、直接ベルンまで乗り入れる特急もあります。1時間程度で来られるということは、成田空港と東京都心の距離とさして変わらないわけであり、ベルンに空港が必要ない理由も分かりますね。
ちなみに西のジュネーブからはやや遠く、それでも1時間45分ほどの行程です。
5.アルプス観光へ行くにもドイツ方面への移動も自在
チューリッヒやジュネーブへ東西方向の列車のほか、ベルンは南北方向の列車網も充実しています。アルプス観光の拠点となるインターラーケンは、ベルンから南へ1時間弱。車窓越しに山や湖の景色が美しいルートでもあります。反対方向、ベルンから北へ1時間進むと、国境の町バーゼルです。本数は限られますが、さらに国境を越えてドイツ方面へ直通する列車もあります。マンハイムやデュッセルドルフ、あるいはフランクフルトへ。ドイツ版新幹線ICEに乗ってみたい人は、あらかじめ時刻表を調べて予定を合わせてみるのもいいですね。