アルプス絶景ハイキング、グリンデルワルト/フィルスト~バッハアルプゼー
せっかくスイスアルプスに来たなら、ぜひ挑戦してみたいのはハイキング。普段から山歩きが好きな人はもちろん、そうでない人にもおすすめ。道は整備されているし、案内も分かりやすくて歩きやすいし、初心者向けコースでも驚くほどの絶景を楽しむことができちゃいます。小さな子供連れでもお年寄りでも、自分で歩ければ問題なし。中には赤ちゃんを背負ったり、ベビーカーを押して歩いている人もいるくらい。気軽に絶景ハイキング、おすすめコースの歩き方をご案内します。
目次
1.天空の湖へ往復2時間、初心者向けお手軽ハイキング
2.グリンデルワルトからゴンドラでフィルストへ
3.カウベルを鳴らす牛たちを横目に小川を越えて
4.アイガーやユングフラウを望む山上湖バッハアルプゼー到着
5.山の天気は変わりやすい、最低限の装備と準備を忘れずに
1.天空の湖へ往復2時間、初心者向けお手軽ハイキング
本記事で紹介するのは、グリンデルワルトからゴンドラで行けるフィルスト展望台を起点に、標高2271メートルの山上湖バッハアルプゼーを目指すコース。片道1時間、およそ3キロの道のり。フィルストの標高が2167メートルあるため、標高差はコース全体で100メートル程度、急勾配の箇所などは無くのんびり歩くことができます。それでいて目の前に広がるのは4000メートル峰の絶景。これはもう歩くしかありませんね。
2.グリンデルワルトからゴンドラでフィルストへ
まずはグリンデルワルトの駅からメインストリートのドルフ通りを東へ10分ほど歩くと、フィルスト行きのゴンドラ乗り場があります。ゴンドラの乗車時間は25分、途中に2か所の乗降所がありますが、そのまま乗っていればOK。しばしの空中散歩でグリンデルワルトの町の景色や、バギーなどのアトラクションを楽しむ人々の様子を眺めることができます。
そしてフィルスト到着。ゴンドラ乗り場周辺が展望台になっていて、断崖沿いに歩道が造られたクリフウォークもあるので、立ち寄ってみても面白いでしょう。
3.カウベルを鳴らす牛たちを横目に小川を越えて
フィルストからは各方面にハイキングコースが伸びています。標識を確認してバッハアルプゼー(Bachalpsee)方面へ。冬場はスキー場として使われており、リフト乗り場を横目にしながら歩き始めましょう。道はゆるやかな上り坂。幅は広くて歩きやすいです。ハイキング客も多いですが、同じくらい数が多いのが牛。大きなカウベルを首からぶら下げて、ガランゴロンと音を立てながら歩いています。このカウベル、スイスの名物なのかお土産のモチーフにもなっていたりするのですが、歩くたびに鳴り響くのはちょっとうるさい気も。牛のストレスにもなるため、使用禁止の議論が起きたりもしているそうです。
フィルストから15分ほど歩くと展望の良いハンムリセックへ。軽く休憩するのに手頃です。まとまった上り坂はここまでで、この先はいっそうなだらかな道のり。やや下り、小さな川を越えて、今回のコースのほぼ中間点、避難小屋の立つグンミヒュッテに至ります。
4.アイガーやユングフラウを望む山上湖バッハアルプゼー到着
グンミヒュッテから先、なだらかで歩きやすい高原の道が続きます。右手にゆるやかな緑の斜面、左手はアイガー、メンヒ、ユングフラウの山々。可憐に咲く高山植物をカメラに収めながら進むのもよいですね。そのまままっすぐ歩いていくと、正面の山が徐々に近づき、手前に湖が見えてきます。小さな小屋が現れるとまもなくゴール、ベンチで休憩する人もいれば、湖のほとりまで下りて遊ぶ人も。日本人の肌感覚からすると真夏でも肌寒いのですが、泳いでいる人たちもいました。
ハイキングコースはさらに奥へと続いていきます。マウンテンバイクで来ている人もいます。湖越しにアルプスの山並みを一望、心地よい風に吹かれて、しばし時の流れを忘れてしまうほどです。
もし午後の時間帯にハイキングに来ている場合は、フィルスト発のゴンドラ最終時刻に注意してください。帰りはまた同じ道を歩いて戻ります。
5.山の天気は変わりやすい、最低限の装備と準備を忘れずに
フィルスト~バッハアルプゼーのハイキングコースは、ファミリー客も多く初心者向け。体力が無くても、経験が無くても、問題なく楽しむことができます。ただし念のため、夏でも天候状況によっては寒く、山の天気は変わりやすいのが常ですので、くれぐれもサンダル履きのようなラフすぎる格好では歩かないように。歩きやすい靴で、防寒具も準備していきましょう。
ゴンドラ乗り場を離れると、食べ物や飲み物を調達できるところもありません。往復2時間、休憩を含めても3時間あれば行って帰ってこれますが、あらかじめグリンデルワルトのスーパーなどで、パンやビスケット、ミネラルウォーターなど、充分な携行食を用意するようにしましょう。
くれぐれも無理は禁物。しっかり備えた上で、アルプスの絶景を丸ごと体験してください♪