アルプス絶景ハイキング、クライネシャイデック~アイガーグレッチャー
せっかくスイスアルプスに来たなら、ぜひ挑戦してみたいのはハイキング。普段から山歩きが好きな人はもちろん、そうでない人にもおすすめ。道は整備されているし、案内も分かりやすくて歩きやすいし、初心者向けコースでも驚くほどの絶景を楽しむことができちゃいます。子供連れでもお年寄りでも、自分で歩ければ問題なし。ただし傾斜はやや急なところがありますので気をつけて。気軽に絶景ハイキング、おすすめコースの歩き方をご案内します。
目次
1.アイガー氷河の迫力と、並走する登山電車、2つの魅力を満喫
2.クライネシャイデックから鉄路とともに登っていく道
3.踏切を越えて貯水湖ファルボーデンゼーでひと休み
4.斜度の急な道、ユングフラウ三山と氷河を間近に眺めて
5.山の天気は変わりやすい、最低限の装備と準備を忘れずに
1.アイガー氷河の迫力と、並走する登山電車、2つの魅力を満喫
本記事で紹介するのは、登山電車の分岐駅クライネシャイデックと、新型ゴンドラのアイガーエキスプレスが開通したアイガーグレッチャーを結ぶルート。ユングフラウ鉄道開通100周年を記念して、新しく整備されたハイキングコースだそうです。その魅力は大きく分けて2つ。1つめは、他のコースに比べてユングフラウ、メンヒ、アイガーの3山に近いところを歩くため、氷河を含めた迫力ある景観を間近に体験できること。
2つめはユングフラウ鉄道の線路と並走するコースのため、歩きながら幾度となく登山電車が走り抜けていく様子を見られること。鉄道ファンならずとも、美しい山々と登山電車の組み合わせをカメラに収めずにはいられないはず。ところどころの撮影も楽しみながら、絶景を歩いてください。
2.クライネシャイデックから鉄路とともに登っていく道
このコース、多くのガイドブックでは標高2320メートルのアイガーグレッチャーを起点に、2061メートルのクライネシャイデックを目指して下るルートで案内されていると思います。もちろん下りルートのほうが体力的に楽であり、所要時間も短くて済むはずですが、この記事ではメンリッヒェン~クライネシャイデックのハイキングコースから続いて歩くことを想定し、クライネシャイデックからアイガーグレッチャーへ、登っていく順序で記述していきます。
まずクライネシャイデックの鉄道駅からスタート、線路を右手に見下ろしながら、正面にユングフラウを望みつつの登り坂。手を伸ばせば山頂に届くのではないかと思えるくらいに近いところに見えます。一方で手前の草地では牛が寝そべっていたりして、牧歌的な雰囲気も。
3.踏切を越えて貯水湖ファルボーデンゼーでひと休み
20分ほど歩くと、このコースの1つめのハイライト、踏切に到着します。上り電車か下り電車、どちらかがやって来るの待って、山を背景にしばし「撮り鉄」になってみるのもいいですね。踏切を過ぎて歩くこと5分、2つめのハイライトとなる貯水湖ファルボーデンゼーが見えてきます。ごく小さなプールのような貯水湖ですが、テーブルとベンチが並んでいて休憩するのに最適です。天気が良ければ、湖面にメンヒやアイガーの姿が映っている様子を見ることもできるでしょう。
4.斜度の急な道、ユングフラウ三山と氷河を間近に眺めて
ファルボーデンゼーを過ぎると道は大きく右にカーブし、坂の勾配がきつくなります。登山電車は雪除けのシェードに入り、しばし線路から離れた道のりです。標高2200メートルを越えたところがローヒャーフリュー。日本人登山家が寄贈したとされる小さな山小屋があり、ハイキングコースは鋭角に左に曲がって、さらに高度を上げていきます。
やがて前方にガッシリとした造りのアイガーグレッチャーの駅舎が見えると、まもなくゴール。右手には駅名にもなっているアイガー氷河(グレッチャー)がメンヒ山との間に広がって、ハイカーを迎えてくれます。
アイガーグレッチャーに着いたら新型ゴンドラ、アイガーエキスプレスで一気にグリンデルワルトに戻るもよし、登山電車に揺られてのんびりクライネシャイデックに下るもよし。駅舎に併設されたレストランで食事をしながら、しばし絶景に酔いしれてもいいですね。
5.山の天気は変わりやすい、最低限の装備と準備を忘れずに
クライネシャイデック~アイガーグレッチャーのハイキングコースは、ファミリー客も多く初心者向け。体力が無くても、経験が無くても、問題なく楽しむことができます。ただし念のため、夏でも天候状況によっては寒く、山の天気は変わりやすいのが常ですので、くれぐれもサンダル履きのようなラフすぎる格好では歩かないように。歩きやすい靴で、防寒具も準備していきましょう。
コースの途中で、食べ物や飲み物を調達できるところはありません。休憩を含めて1時間~1時間半ほどあれば歩くことができますが、あらかじめグリンデルワルトのスーパーなどで、パンやビスケット、ミネラルウォーターなど、充分な携行食を用意するようにしましょう。
くれぐれも無理は禁物。しっかり備えた上で、アルプスの絶景を丸ごと体験してください♪