古都ジョグジャカルタのおすすめ観光&見どころ5選
ジャワ島中部の都市ジョグジャカルタは、16世紀に興ったマタラム王国の都が置かれた街。郊外のボロブドゥール遺跡やプランバナン遺跡が有名なため、ジャカルタやバリ島から日帰りで訪れる人も少ないところですが、時間があれば1~2泊して、古都の街歩きも楽しんでいただくのがおすすめです。
古くからジャワ文化の中心として栄えたジョグジャカルタ、市内の見どころをご紹介します。
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目次
1.ジョグジャカルタ観光の中心、王宮クラトン
2.時間があれば伝統舞踊&演奏のショーも見ていこう
3.スルタンが美女を集めた? 水の離宮タマンサリ
4.謎の地下モスク&街を一望できる城砦跡も必見
5.活気あふれる繁華街マリオボロ通り
1.ジョグジャカルタ観光の中心、王宮クラトン
まずは王宮から。市内の中心部には1756年に建築され、歴代の国王たちの暮らした王宮クラトンが残されています。いや残されているという表現は語弊があるかも。王政が廃止され、インドネシアが共和制に移行した現在も、王族の子孫が敷地内の住居で暮らしているそうです。
クラトンは大きく南と北に分かれていてて、南宮には諸外国から要人を迎えた謁見の間や、王家ゆかりの品々が飾られた博物館などがあり、北宮には王位継承の即位式や、独立後にスカルノ初代大統領の就任式も行われた即位の間などがあります。どちらも南国らしい開放的な造りで、見応えがありますよ。
面白いのはイスラム王朝であったにもかかわらず、入口の門をはじめあちこちに魔除けの神カーラ(ヒンドゥ教と土着信仰が交った神様だそうです)が存在感たっぷりに掲げられていること。そんなごたまぜ感が、インドネシアらしさといえるかもしれません。
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2.時間があれば伝統舞踊&演奏のショーも見ていこう
クラトン南宮の儀式の間では、ジャワの伝統音楽や舞踊のショーが披露されています。吹き抜けの構造になっているため、伝統打楽器ガムランの演奏や着飾った男女による踊りなど、周囲から誰でも自由に見学することができます。また、私たちが訪れたときは北宮の即位の間でも演舞がなされていました。ガイドさんによると学生たちが練習していることもあるそうです。伝統も、ただそれだけでは廃れていくだけ。受け継いでいく若い世代がいて、お金を落としていく観光客がいて、成り立っていくのです。
ちなみにクラトンは閉まる時間が早いです(南北、曜日によって12:30~15:00)。演奏も午前中しかやっていませんので、訪れるときは、その日の観光予定の最初に入れておくのがおすすめです。
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3.スルタンが美女を集めた? 水の離宮タマンサリ
王宮から少し離れたところに、1758年に建てられた水の離宮タマンサリがあります。クラトンとは少し趣きが異なり、白く小さなお城のような建物です。水の離宮と呼ばれるのは、中に豪華なプールがあるから。そこに大勢の美女が集められ、スルタン(王様)はプールの南側につくられた小窓から覗いて、夜のお相手を選んだそうです。
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4.謎の地下モスク&街を一望できる城砦跡も必見
ガイドブックにはあまり載っていないのですが、タマンサリの周辺にも見どころが点在しています。路地裏を進んでいくと、「Sumur Gumuling」と呼ばれる地下の井戸があります。五方向からミニ階段が集まってくる不思議な空間。5つの階段は、ムスリムの五行(礼拝、断食、喜捨などイスラム教徒に与えられた5つの義務)を表しているそうです。
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別のところにも地下通路があり、そこは第二次大戦中、日本軍の大将が一時生活していた場所でもあるとのこと。インドネシアの独立に、旧日本軍が関与した役割は少なくないとも言われ、両国の様々な縁を感じます。
さらに付近には小高い丘があり、城砦のような遺跡が残されています。探検気分で歩いていくと、周囲を展望できる場所に出ます。高層建築の少ないジョグジャカルタの町、赤茶けた瓦屋根の家並みが続いているのが見えました。
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5.活気あふれる繁華街マリオボロ通り
ジョグジャカルタを代表する繁華街といえば、マリオボロ通り。市内中心部を南北に貫いている大通りです。マリオボロモールという大型のショッピングセンターのほか、ホテルやレストラン、衣料品の店などが数多く立ち並んでいます。人通りも多く、ガイドブックにはスリに注意という記述もありますが、夜でも雰囲気は明るく、女性や子供連れでも特に怖さを感じることはありません。広めの歩道には屋台が並び、名物の焼き鳥サテを売る露店もあり、食べ歩きしながら歩くのも楽しいところです。
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みなスマホを片手に飲食や買い物をしたり、歩道上のモニュメントをバックに記念写真を撮影したり。現在のジョグジャカルタは学園都市で、若者の数も多いそうです。エネルギッシュなインドネシアのパワーを感じることができますよ。