インドネシア鉄道の乗り方 ジョグジャカルタからスラバヤ方面へ
インドネシアの鉄道の歴史は古く、1867年にジャワ島中部の都市スマランにて運行が開始されました。これは日本の鉄道開通、新橋~横浜間より5年早いそうです。そんな長い歴史を持つインドネシアの列車旅。本記事では、古都ジョグジャカルタから第2の都市スラバヤを経て、ジャワ島最東端の町バニュワンギまでのルートを例に、駅での手続きや車内の設備など、列車の乗り方について解説します。
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目次
1.ジョグジャカルタのトゥグ駅から長距離列車が出発
2.乗車前にチェックインが必要、専用の機械で手続きを
3.席種はエコノミー、ビジネス、エグゼクティブ
4.食堂車に車内販売もあり。激辛ナシゴレン弁当に要注意
5.のんびり車窓の旅、田舎の景色を眺めながら
1.ジョグジャカルタのトゥグ駅から長距離列車が出発
インドネシアの古都ジョグジャカルタ。16世紀に興ったマタラム王国の都が置かれたほか、周辺には世界遺産として有名なボロブドゥール遺跡やプランバナン遺跡があり、リゾート地のバリ島と並んでインドネシアを代表する観光地になっています。そんなジョグジャカルタには複数の駅がありますが、長距離列車の拠点となるのはトゥグ駅(Tugu)。ジョグジャカルタ一の繁華街マリオボロ通りにも近く、周辺には手頃な価格帯のホテルも多く集まっています。
駅前は雑然としていますが、柵を越えて構内に入ると、駅舎はきれいに整備されていて、チケットオフィスやコンビニもあります。以前は誰でも入ってくることができて、物売りや客引きも多かったそうですが、今は規制され、治安的にも安心して利用できるようになっています。
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2.乗車前にチェックインが必要、専用の機械で手続きを
インドネシアの鉄道は、乗車前にチェックイン手続きが必要です。チェックインを終えた乗客から、順に改札を通過し、ホームに入れる仕組みになっています。端末で予約番号を入力するか、バーコードを読み取ることで、レシート式のチケットが発券されるのですが、分からなければ係員がいますので、代わりにお願いすることができます。
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駅や時間帯によっては混雑している場合もありますので、出発時刻前、少し余裕をもって駅に着いておくのがおすすめです。
ちなみに下の写真は、持ち込み禁止のもの。銃剣類や薬物は当たり前として、ドリアンも禁止されているのが東南アジアならではですね。動物もダメです。
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3.席種はエコノミー、ビジネス、エグゼクティブ
インドネシアの列車は、エコノミー(3等)、ビジネス(2等)、エグゼクティブ(1等)と3種類の席種に分かれています。もっとも常に3等級が揃っているわけではなく、近距離タイプの普通列車だとエコノミーのみ、長距離の特急列車になるとビジネスとエグゼクティブのみ、のように分かれています。かつてはエグゼクティブのみエアコン完備で他の等級はエアコン無しだったのが、今はビジネス以下の車両でもエアコン付きになっています。
今回エグゼクティブとビジネスの両方に乗る機会がありましたが、ビジネスでも2-2のゆったりした座席で、充分に快適でした。ただシートピッチはエグゼクティブのほうが広く、よりゆったりとしています。
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4.食堂車に車内販売もあり。激辛ナシゴレン弁当に要注意
広々とした荷物スペースもあり、座席には電源もあり、もちろんお手洗いの設備もあり、日本の特急列車に比べても遜色なく、この国の経済成長を感じさせます。ただ速度はさほど速くないので、乗車時間は長くなります。ジョグジャカルタからスラバヤまで、320キロほどの距離に5時間半かかります。
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となると途中で食事が必要になりますが、食堂車に車内販売もあり、駅弁(?)やカップヌードルを買うこともできます。
ただ、ナシゴレン弁当は激辛でした。高温多湿のお国柄なので、腐りにくいように辛くしているのでしょうか。パッケージの写真はとても美味しそうなのですが、買うときはお気を付け下さい。
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5.のんびり車窓の旅、田舎の景色を眺めながら
ジョグジャカルタから、ソロ(スラカルタ)を経て、スラバヤまでは、わりと都市が続き、乗客の数も多かったです。大半が地元のインドネシア人で、中華系と思われる人たちもおり、日本人は見当たらず、わずかですがバックパックを背負った西洋人のグループがいました。スラバヤ到着は予定時刻よりも遅れましたが、停車時刻を短くして調整、そのあとは乗客数がぐっと減り、車窓の風景もぐっと鄙びてきます。
スラバヤからジャワ島の東端バニュワンギまでは、さらに列車で6時間。インドネシアの国土の大きさを感じます。効率的にはもちろん飛行機のほうが早いですが、意外と快適でスムーズなインドネシアの鉄道の旅、のんびり車窓の旅をぜひ楽しんでみてください。
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