ボロブドゥール遺跡&プランバナン寺院を1日で巡る
インドネシアの2大世界遺産といえば、ボロブドゥール遺跡とプランバナン寺院。どちらもジャワ島中部の都市ジョグジャカルタの郊外にあり、1日で巡ることができます。両遺跡の見どころやおすすめについてご案内します。目次
1.個人で行くのはかなり大変、ツアー利用が効率的
2.東南アジア3大遺跡、ボロブドゥールはとにかく巨大
3.9層建ての寺院、どこを見るのがおすすめ?
4.プランバナンの中心、ロロ・ジョングランの6つの塔
5.時間があれば、史跡公園北部のセウ寺院もおすすめ
1.個人で行くのはかなり大変、ツアー利用が効率的
ボロブドゥール遺跡はジョグジャカルタからバスで1時間半、プランバナン寺院もやはりバスで行くことができます(約45分)。もし時間に余裕があるなら、1日ずつ2日間に分けて両方の遺跡を巡るのもおすすめです。一方で1日しか観光の時間を取れない場合は、ツアーの利用がよいでしょう。ボロブドゥールとプランバナンがセットになった日帰りツアーを多くの旅行会社が催行しています。日本であらかじめ予約しておくのが無難ですが、ジョグジャカルタのホテルでもツアーの紹介を受けられます。
人数が複数いる場合は車をチャーターするのも便利です。私は子連れだったこともあり、事前に日本語ガイド付きの車を終日(10時間)チャーターし、両遺跡を巡りました。そのときの時間配分なども含めて、参考にしてみてください。
2.東南アジア3大遺跡、ボロブドゥールはとにかく巨大
出発は朝8時。ジョグジャカルタ市内のホテルを出発し、9時20分頃にボロブドゥール遺跡に到着しました。遺跡公園はとても広く、ホテルやレストラン、博物館、さらに象に乗ることのできる象園もあります。有料のトイトレインも走っていますが、10分ほど歩くと前方に巨大な遺跡が見えてきます。すぐに分かりますので、道に迷う心配は無いでしょう。
ボロブドゥール遺跡は8~9世紀ごろに建造されたといわれ、アンコール遺跡(カンボジア)やバガン遺跡(ミャンマー)と並ぶ、東南アジア3大遺跡の1つ。単独の遺跡としての大きさはおそらく世界でもトップクラスで、高さ35メートル、四辺形の周囲をぐるりと回ると480メートル、ほとんど山のようです。
東西南北、どちらの方向からでも階段があるので、好きなところから登り始めることができます。
3.9層建ての寺院、どこを見るのがおすすめ?
ボロブドゥールは9層建て。外周の基壇、回廊が造られている四角形の方壇、そして上部の円壇に分かれています。この三層構造は仏教の三界(欲界、色界、無色界)を表し、上へ登っていくほど悟りの道につながると考えられるそうです。全部見ていくと時間的にも足りなくなりますし、天候次第ではとても暑いので体力的にも大変です。もしメインだけ押さえておきたい考えの場合は、基壇の1つ上にある第1回廊を、時計回りにぐるりと巡るのが良いでしょう。ブッダが生まれてから悟りを開き、説法を始めるまでの物語がレリーフにて描かれています。
階段を登り1段上がるごとに、風が吹いて少しずつ涼しくなります。インドネシアの経済発展に伴い、おそらく入場者数も増え続けているのでしょう。階段の狭さのわりに、旅行者の数はとても多いので、すれ違う際などは注意してください。いずれ遺跡保護や安全面の観点から、入場制限などの規制が敷かれるときが来るかもしれません…。
7階から9階にあたる円壇まで来ると、景色はがらりと変わります。72基のストゥーパがぐるりと並び、半壊したところでは仏像が露出した姿を拝むこともできます。眼下には緑豊かな森が広がり、遠くには山々が。本当に軽く山登りをしたような爽快感を感じることができるでしょう。
ちなみに寺院のふもとに到着してから、回廊の壁画を見学し、円壇の頂上まで登り、途中に何度か休憩をして、再びふもとに降りてくるまでの時間は、ちょうど1時間くらいでした。とにかく暑いし、歩きますので、少なくとも水は必携です。
4.プランバナンの中心、ロロ・ジョングランの6つの塔
ボロブドゥールからプランバナンまでは車でおよそ1時間半。周辺には他にも見どころが点在していますので、特に車チャーターの場合は、興味に応じて立ち寄り箇所に含めてもらうとよいでしょう。私たちはプランバナンに着いて13時、昼食にしました。さて。ボロブドゥール寺院が仏教遺跡であったのに対し、プランバナンのメインであるロロ・ジョングラン寺院はヒンドゥ教の遺跡です。サンジャヤ王朝時代の856年に建立されたといわれ、6つの神殿が規則正しく並んでいます。
6つの塔で一番大きいのはシヴァ神の神殿。高さ47メートルはボロブドゥール以上です。その左右にヴィシュヌ神、ブラフマー神の神殿が並びます。
ヒンドゥ教3大神の神殿の前には、それぞれの神の乗り物であるナンディ、ガルーダ、ハンサが祀られている3つの塔が並びます。ガルーダはインドネシアの国営航空会社の名前としても使われていますね。やはり観光客が多く混雑していますので、階段昇降の際には注意。神殿の内部を見学することもできます。
余談ですがプランバナン寺院群は、ジョグジャカルタの空港から近く(バスで15分)、私たちが観光している途中も、何度か寺院の上空を飛行機がかすめて飛んでいく様子を見ることができました。
5.時間があれば、史跡公園北部のセウ寺院もおすすめ
ロロ・ジョングラン寺院は6つの塔が1か所に集まっているので、それほど観光時間はかかりません。時間が余っている場合は、周辺の寺院を訪れるのもおすすめです。私たちが訪れたのは同じ史跡公園内のセウ寺院です。まっすぐ歩いて15分くらい、途中にも2か所小規模な寺院遺跡があります。緑が豊かで整備されているので、気持ちのいい散歩コースです。周回して観光客向けのミニバスが走っているほか、レンタサイクルを利用することもできます。
セウ寺院は、同じ敷地内のロロ・ジョングラン寺院と異なり仏教遺跡で、千の寺院という意味があるそうです。その名のとおり非常に多くの寺院が、街区に沿って建ち並び、まるで1つの町を形成しているような遺跡です。ただ、多くは破壊されて崩れており、訪れている観光客の数もわずかでした。
もっとも人が少ないというのは逆に、のんびり自由に見学できるという利点もあります。修復が進められて残っている箇所も多く、かつて栄えていた姿を想像しつつ、探検気分で歩いて回れる雰囲気が、個人的にはとても気に入っています。
再びロロ・ジョングラン寺院付近の公園入口に戻ってきて17時。そこから1時間ほどでジョグジャカルタへ。無理のないスケジュールで2大遺跡を満喫することができました。