第12章 四万公里/2003年9~11月 あらすじ
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大韓民国 (Republic of Korea) |
人口 | 4819万人 | 面積 | 9万9274km2 |
首都 | ソウル | 宗教 | 仏教(大乗)、儒教、キリスト教 |
言語 | 韓国語 | 通貨 | ウォン |
旅行期間 | 2003年9月9日~2003年9月19日(11日間) | ||
訪問経路 | (中国)~仁川→ソウル→扶余→釜山~(日本) |
遂に来たユーラシア東端 韓国上陸
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一晩の航海で仁川に到着。
僕にとっては三度目の韓国である。
折しも船内でソウル在住の日本人に会い、
その方の下宿先に泊めてもらうことに。
旧暦八月十五日は中秋の名月。
韓国は(秋夕)チュソクと呼ばれる
旧盆のお休みの真っ最中、
中心市街地はがらんと空虚だった。
しかし見覚えのある街角に立つと、
半分帰ってきたような錯覚をおこした。
ソウルを発ち、
訪れたことのない韓国西部を目指す。
パキスタンから中国へ入ったときも、
高層ビルや人々の服装などを見て、
中国はずいぶん先進国だと思ったが、
韓国はやっぱりずっと進んでいた。
道路舗装が圧倒的にきれいで、
車の排ガスも真っ黒じゃない。
古都街道南下 百済旧都を訪ね倭国を目指す
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城塞都市の水原を訪れ、
百済王の陵墓が残る公州。
古代日本と非常に関係の深かった、
朝鮮半島南西部の百済王朝、
滅ぼされた都の置かれた扶余へ。
白村江のほとりの小さな町、
ほとんど史跡が残されていない悲哀。
当時の史跡が点在していた。
八万の大蔵経教典が収蔵されている
韓国随一の名刹海印寺を訪れ、
いよいよ釜山港へ。
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日本国 (Japan) |
人口 | 1億2753万人 | 面積 | 37万7899km2 |
首都 | 東京 | 宗教 | 仏教(大乗)、神道 |
言語 | 日本語 | 通貨 | 円 |
旅行期間 | 2003年9月19日~2003年11月17日(60日間) | ||
訪問経路 | (韓国)~対馬~福岡~石垣~那覇~鹿児島→北九州→広島→松江→京都→名古屋→東京 |
夢に見た故国の地 耳に聴こえるお国の言葉
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最後の旅、日本。 大陸との長い交流史の中で、
重要な役割を果たしてきた
対馬にまず第一歩を記した。
港で聞こえてくる話声。
日本語。
脳に言葉が染み込んでくる違和感。
曲がりくねった国道を走る。
曇り空、湿気をたっぷり含んだ空気、
緑の木々から匂う芳醇な水の香りに、
日本を感じた。
最後の旅路は日本探訪 独自文化育む沖縄から
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鹿児島から船で沖縄へ。
日本の中の外国といわれる沖縄から、
日本の旅を始めようと決めていた。
まずは石垣島、
そして竹富島、西表島へ。
海の広さと透明度の高さ。
沖縄本島では那覇を拠点に、
首里城と、南部の戦跡を巡った。
帰国してまだ一週間、二週間。
日本語が通じてしまうことに
まだ不思議な感覚があった。
九州から山陽そして山陰へ 八百万の神々に旅の御礼報告
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鹿児島から宮崎、大分へ。
西都原の古墳群や
宇佐神宮を訪れて、
古き時代の日本に思いを馳せた。
関門海峡を越えて本州へ。
そして広島。
世界で最も有名なヒロシマ。
異国を走りながら、
最も深く考えたのは
自分の生まれた日本のことだった。
ついに帰ってきた。
長き一本の道は一つの輪となる 四万キロ 地球一周達成
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0km 2001年5月26日
アラスカ/アンカレジ
5000km 2001年8月5日
メキシコ/トゥーラ手前
10000km 2001年11月11日
トルコ/イスタンブール手前
15000km 2002年4月10日
ジンバブエ/ビクトリアフォールズ先
20000km 2002年8月10日
イラン/マクー~マルカンラル間
25000km 2002年10月19日
パキスタン-インド/ワガ国境
30000km 2003年5月2日
パキスタン/シンキアリ先
35000km 2003年8月5日
中国/天祝手前
そして……
40000km 2003年10月20日
日本/兵庫県香住町
シルクロード終点 京の都 東洋文明の極地
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二年以上に及ぶこの長い旅で、
様々な国の様々な文化に出会った。
アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、
そして旅の後半はアジア。
キリスト教世界、イスラム教世界、
そしてヒンドゥ教世界を抜けて、
日本を目指す旅だった。
神道と仏教が融合した固有の宗教観。
中国や韓国の影響を受けつつ、
独自に進化を遂げた歴史と文化。
最後に日本を見たかった。
そして旅は終わった 2003年11月17日
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906日間。
40856キロメートル。
∞の経験値。
完
……しかし人生はまだ続く。