ふねしゅーの日本探訪/其の廿漆 福島/三春の滝桜
震災復興支援ツアー。日本3名桜、三春の滝桜を訪ねて
2011年4月23日 震災から1ヶ月後の福島へ
福島県へ旅行に行ってきた。旅行業界に属する者として、福島の観光業界が悲鳴をあげているというニュースがあり、旅の力が今こそ試されているときだとの思いがあり、復興支援ツアーと銘打って出かけた。
同行は、旅行産業経営塾新1期生、大小旅行会社の経営者および経営幹部諸氏、同じ視点と志を持った仲間たち合計7名。
午前中に経営塾の補講があり、昼過ぎの出発、東北新幹線はまだ福島までしか通じていない。ホームには列車を待つ行列ができており、思ったより混んでいたが、無事に座席を確保することができた。
【東北新幹線】
【新白河駅】
新白河駅からレンタカー。あぶくま高原道路は開通しているものの、ところどころ陥没したり、ひびが入っている。ほかに走っている車もほとんどいない。やはり震災の爪痕は大きい…。
ほどなく目的地の母畑(ぼばた)温泉に到着。母畑温泉は中通りと浜通りの間、原発までの距離およそ5~6キロ。山間の小さな田舎の村という雰囲気だ。しかしホテルは立派。八階建ての建物で、中が吹き抜けており、琴を演奏するための舞台が真ん中に鎮座していた。
【母畑温泉、ホテル八幡屋】
震災&原発の影響でガラガラかと思いきや、駐車場には車が並び、意外と多くの宿泊客がいた。「○○家初節句」「○○中学校還暦同窓会」などなど、「○○ご一行様歓迎」の札が並んでいる。おそらく福島県内からだろうと思うが、少し嬉しい。お祝い事は、やっぱりちゃんとしないとね。
一方で従業員の方にお話を伺うと、100人単位で避難者の方々も滞在しているとのこと、子供のため近郊の小学校にバスが出ていると聞いた。
【野口英世ビール】
【予約客の札ずらり】
2011年4月24日 二日酔いが滝桜の美しさで醒める
日曜日、前夜飲み過ぎて二日酔いだが、天候は快晴。天気予報が見事に外れてくれた。くねくねと曲がる田舎道のドライブに苦しみながら、目的地、三春の滝桜を目指す。滝桜まで残り1キロほどの地点、道が合流する交差点のあたりから渋滞が始まっていた。とっさの判断で、ここから歩くことにする。観光バスは見かけないが、乗用車は長蛇の列。福島ナンバー、いわきナンバーばかりと思いきや、東北他県、新潟、そして関東各県のナンバーがあった。
【滝桜へ渋滞】
【三春の滝桜】
【三春の滝桜】
そして滝桜。
日本の3大桜に数えられる三春の滝桜。樹齢1000年、樹高12m、枝張り20mに及ぶ巨木は、青空と相まって絶景&圧巻。いや~、素晴らしい! 息をのむ美しさとは、まさにこのこと。
【三春の滝桜】
【安達太良山を望む】
【土手と桜】
高台に登ると、雪を冠した安達太良山の眺め。歩いている人や、自転車の人も多い。福島県には何度も自転車で訪れたことがあるけれど、三春には来たことがなかった。滝桜は1本だけど、ほかにも多くの桜が植わっている。遠くの山並みなど周辺の景色を含めて、予想以上に素敵なところだ。
大勢の観覧客が思い思いの足取りで歩いている。みな笑顔、活き活きとした表情をしている。
西洋人はバラを好み、日本人は桜を好むという。心情を映す美しさがある。今年の桜は、とりわけ心に染み入るものがある。桜は何も喋らないけれど、多くを語っているような気がした。
【三春の滝桜】
【滝桜のそばの神社】
まだまだ旅行どころではない地域、人々、たくさんある。でも、宮城県の松島も観光客受け入れを始めたし、青森県の弘前では桜祭りが開幕したと報じられている。震災を乗り越え、地域経済にしっかりお金を回すためにも、少しでも多くの笑顔を取り戻すためにも、旅行って素晴らしいなと改めて感じた。
来てよかった、福島!!
みんな、もっと旅をしよう!
【壊れた路面】
【パンク】
【郡山メヒコ、フラミンゴ館】