ふねしゅーの日本探訪/其の廿伍 子連れ旅行 伊勢神宮・内宮
平成のおかげ参り、伊勢神宮は空前の大賑わい
2011年1月2日 伊勢神宮、内宮へ
宿泊は松坂のホテル。なんと部屋の窓から日の出が見えた。ありがたし! 昨年のニューカレドニア旅行で、子供たちに日没を見せ、今度は日の出を見せてあげたいと思っていたのだが、まさかこんなところで実現するとは。今日は内宮へ。宇治山田駅で降りる。まずは伊勢神宮の歴史と文化の博物館である神宮徴古館へ。
【ホテルの部屋から御来光】
【神宮徴古館】
20年に一度の式年遷宮は、ただ建物を新しく建て替えるだけでなく、そこに納める衣服や装飾品など、あらゆる物を新しくするとのこと。そうすることによって、古代から脈々と受け継がれてきた伝統技術を、確実に次の世代に伝えていける。20年で1世代、ちょうどいい間隔だそうだ。
なるほど! 戦前は国家の最重要行事でもあった式年遷宮、今は国が直接関与することはできなくなったが、その意味の重要性は、また私たちが子供に伝えていかなくてはなるまい。
【内宮、宇治橋】
【五十鈴川の御手洗場】
徴古館は良かったのだが、スケジュール的には失敗。内宮に向かうバスになかなか乗れず、しかも途中で大渋滞。外宮が比較的空いていたので想定していなかったのだが、内宮だけ参拝するという人が、とてもとっても多かったのだ。
外宮よりも広く、緑が深い内宮。正式名称は皇大神宮だ。鳥居をくぐり、手水舎を過ぎてほどなく、右手に五十鈴川のほとりの御手洗場がある。川のせせらぎで手を清めることができるのだ。川で身を清めるというしきたりは、インドのガンジス川に通じる、宗教的な緩いつながりがあるのかもしれない。
順調に進んだ参拝は、神楽殿を過ぎたところで現実にぶち当たる。まだまったく御正宮は遠く見えないのだが、一歩も進めない人間大渋滞が始まったのだ。参拝まで1時間半かかるなどという話が飛び交い、ツアーで来ている人など、諦めて引き返す姿も目立つ。
【混み始める参道】
【大渋滞】
さあ、どうする。3歳(もうすぐ4歳)と2歳(なったばかり)を連れて長蛇の列に並ぶのはしんどい。とはいえ、ここで引き返しては来た意味がない。
ほかにも幼子を抱いた家族連れは多い。年配者も多いし、若者グループも目立つ。江戸時代、伊勢神宮の参拝ブーム、いわゆるおかげ参りブームは5回ほど繰り返されたらしい。昨年、パワースポットブームに乗って、伊勢神宮の参拝者数は史上最高を数えたというが、まさに平成のおかげ参り。日本人が無宗教というのは、嘘っぱちだな。
並ぶ、並ぶ、なだめる、並ぶ。ポケットに入れておいた飴玉が役に立つ。
そして参拝。
【御正宮】
【参拝を終えて】
帰り道、おはらい町へ。参拝客が訪れる飲食店や土産店が並んでいて、やはり大勢の人でごった返している。
江戸時代には年間200~400万人(当時の人口を考えると驚異的!)が訪れ、大いに賑わったおはらい町。しかし高度成長後、車で乗りつけて参拝し、さっさと帰ってしまう人が増えて、参拝客の人数に対して、おはらい町を訪れる客は激減してしまったという。
危機感を感じて街並み再生の音頭を取ったのが、赤福。伊勢の伝統的な町並みを復活させ、電柱の地中化や石畳化も実現、1993年の式年遷宮に合わせておかげ横丁も開業した。
ああ、しかし、帰りの電車まで時間がない。のんびりじっくり散策している余裕がなく、後ろ髪を惹かれる思いで伊勢を後にするのであった。また、今度はもう少し空いている時期に来よう。
【おはらい町】