ふねしゅーの日本探訪/其の廿壱 平城遷都1300年祭
シルクロードの東端、平城京で1300年の歴史に思いを馳せる
せんとくん登場 シルクロードの東の果て、平城京を歩く
「なんと(南都=710年)見事な平城京」今年2010年は奈良に都が置かれ1300年目の節目。これを記念し、奈良では平城遷都1300年祭が開催されている。あの、せんとくんがマスコットキャラクターを務めているイベントだ。
主会場は平城宮跡、依然は復元された朱雀門以外に何にもない原っぱで、敷地内を横切る近鉄電車が風景の寒々しさを助長していたように記憶しているが、今回訪れてまずびっくりしたのは、その賑わいぶりだった。主要駅からのシャトルバスは軒並み満杯、遣唐使船を復元し併設した歴史館は、整理券があっという間になくなるほどの人気ぶり、さながら万博を彷彿させるような雰囲気があった。
【平城京/朱雀門】
【平城京/大極殿を望む】
しかし、改めてだだっ広い平城宮跡を歩いて思ったのは、このような都市の遺構が丸ごと残っているのは、日本では本当に珍しいのではないかということ。たとえば京都の場合、多くの世界遺産がありますが、いずれもお寺や神社といった点の見所で、面的な広がりがない。平城京は、逆に何も残っていない草原であるがゆえに、あれこれ自由に想像できる余地がある。
復元されたばかりの大極殿と朱雀門との直線距離は約800メートル、お互い見渡すことができ、そのまま平城京という都市の広さを感じることができた。
【平城京/せんとくん登場】
【平城京/歴史新聞】
一般的にシルクロードの西の起点はローマ、あるいは地中海に面したアンタクヤ(現トルコ領)と言われ、東の起点は中国第一の古都長安(西安)、あるいは洛陽であるとされている。
だが、正倉院にペルシャ製のガラス器が所蔵されていることからも分かるように、シルクロードの本当の終着駅は、平城京だったと言える。当時の平城京は、中国人や朝鮮人はもちろん、インドやペルシャの人々も来訪する国際都市。逆に多くの日本人が、遣唐使などを通じて大陸に渡ってた。
平城遷都1300年祭の歴史館では、遣唐使船に揺られて旅をした当時の人々の物語が、迫力ある映像で説明されていた。シルクロードにゆかりの民芸品などを販売する売店も設置されていた。
【平城京/天平市場】
【平城京/遣唐使船】
平城宮跡に、今年大極殿が復元された。かつて天皇が在していた都の 中心となるべき建築だ。当時の設計図や参考になる絵画が残っておらず苦労する中、発掘調査で判明した基壇や、現存する同時代の建築物などを参考に、10年かけて復元したものだそうだ。
もちろん平城京最大の建造物であり、正面約44メートル、側面約20メートル、高さは約27メートルもある。周囲は野原であり、ほかに高い建物は皆無だから、遠くからも望め、本当に雄大に見えた。
【平城京/会場内のトラム】
【平城京/大極殿近景】
ところで、この大極殿の完成は、4月23日(金)、翌24日(土) が一般公開の初日だった。なぜ、その日付が選ばれたのだろうか?
1.ゴールデンウィークが始まる1週間前だから
2.本当は1月1日にしたかったが、工事が間に合わなかった
3.4月23日が旧暦で3月10日だから
てっきり1番だと思ってた。普通に考えたら、連休の1週間前の土曜日から一般公開というタイミング、そりゃ集客面で最初に弾みをつけ たいもんなと思う。
正解は3番である。藤原京から平城京へ正式に都が移された日が、和銅3年(710年)の3月10日。今年の4月23日は、たしかに旧暦の3月10日。記念式典は皇太子殿下を迎えて盛大に行われたそうだ。
【平城京/大極殿の内部】
【平城京/夕暮れ時の風景】