ふねしゅーの日本探訪/其の参 東京の安宿
東京最大のバックパッカー街、山谷を歩く
4月22日/23日 二千円台の安宿並ぶ 東京山谷を訪ねて
東京の下町、台東区から荒川区にかけて、 山谷と呼ばれる日雇い労働者の町がある。 もともとは日光街道や水戸街道の起点として、 木賃宿が集まる宿場町として始まった一帯が、 戦後の復興期に巨大な労働力供給基地となった。 時代は流れ、寂れた安宿街が残ったが、 今ここに、外国人旅行者が集まり始めている。 一部の宿は英語のホームページを開設し、 宿泊者の大半が、外国人バックパッカー となったところもあるという。 知られざる東京の安宿街を訪ねてみた。
数十軒の宿 一部には新しい宿も
外国人旅行者を集めているのは、 ごく一部の宿にすぎないが、 中には新しくできた外装のきれいな宿もあった。 広々としたロビーには、 談笑したり、インターネットをする 西洋人バックパッカーの姿。 一方で町を歩いている旅行者の姿は少ない。 旅行者向けの食堂や喫茶店なども 特に見当たらず、 外国人旅行者のための案内標識などもない。 バーは一軒だけ。 旅人の町としてはまだまだ発展途上である。
二畳一間の個室が 旅人たちを迎えてくれる
宿で出会ったオランダ人が言った。 日本の旅は安い、 二十数ユーロで泊まれるのだから安い、 でも、安いことがあまり知られていない、と。 韓国人の二人組が、山谷の町を歩いていた。 道に迷っている様子の彼らは、 安い宿を探していた。 成田空港からまっすぐ目指してきたらしい。 山谷の町は、いささかガラが悪い。 昼間から路上に座り、 カップ酒を呷っている人たちがいる。 南千住や三ノ輪の駅から近いとはいえ、 浅草までは徒歩二十分とやや遠く、 さして観光に便利な場所とは思えない。 が、日本は二度目というスウェーデン人は、 人が親切だし、いい町だよ、 次に来たときもここに泊まる、と笑った。
「旅人天国」日本 大いなる可能性
世界一周の途中で、 多くの外国人と出会ったが、 日本に行ったことがあるという者は少なかった。 とても残念だった。 日本には独特の文化と誇るべき自然がある。 外国人にはきっと面白い国であると自信がある。 多くの外国人に、日本の魅力を体験してほしい。 そしてまた、外国の人々を招くということは、 日本人自身が日本の魅力を見つめ直す 格好の機会にもなる。 「旅人天国」日本。その大いなる可能性が 感じられる一泊二日であった。