ふねしゅーの日本探訪/其の弐 愛・地球博(前編)
旅していた頃のことを思い出す。世界各国のパビリオン巡り
9月3日 開幕以来の大行列 駐車場脱出に二時間
高速のインター出口から渋滞は始まっていた。 夏休みが終わった九月初週なら空いているだろう という考えはまったくもって覆された。 真逆だった。 駐車場整理員のおじさんが、 「こりゃ二十万人は超えるね」と笑っていた。 笑い事じゃないよ。イエメン館 土産物屋の渦 強烈な人混みに目眩
ようやくシャトルバスに乗り込み、 万博会場に到着したのが正午前。 会場内は、人、人、人。 最初に訪れたのはイエメン館。 世界最古の町サナアを模したといわれる造り、 その実態はウンザリするような土産物市場。 しかも値札なしの値段交渉制! 蒸し暑く、騒々しく、さっさと退散。中央アジア共同館 カザフ ウズベク タジク キルギス
次に訪れたのは、 シルクロードを全面に掲げた四ヶ国。 遊牧民族の天幕や涅槃仏陀がお出迎え。 冷房の前で涼んでいる人が多かった。ブータン館 バックパッカー入国不可の 鎖国仏教国
モンゴル館 蒙古帝国時代の文書 『日本』という文字も
スリランカ館 仏教寺院と 大きな天井画
国は小さなスリランカ。 館内は広々とし、かつ凝った造りをしていた。 疲れがふっと癒される。 仏像の前には賽銭箱。 スマトラ沖地震の被災写真を展示して、 抜け目なく募金を募っていた。 野口英世も、ワシントンも、 毛沢東も、ガンジーも入れられていた。パキスタン館 二年半ぶりの再会 断食仏陀
イスラム教国パキスタン。 しかし展示内容にイスラム色はなく、 カラコルムの山嶺とガンダーラの断食仏。 中央アジアが涅槃仏を出したのと同様、 日本人受けを狙っての展示なのだろう。 ラホールとペシャワールで 出会ったときの感慨を彷佛とした。 バングラデシュ館は 何を宣伝したいのかド派手なリキシャ。 イラン館は一千万円もする絨毯を展示。 販売もされているのだが、誰が買うのか。 チャイハネでちょっと休憩。 イラン式の紅茶とザクロジュースで喉を潤す。バングラデシュ館 それでいいのか リキシャが主役
イラン館 キッコロとモリゾー描かれた ペルシャ絨毯
サウジアラビア館 石油王国 360度大画面でメッカ紹介
カタール館 カタール航空就航で 観光客誘致の色気
企業館 脅威の360時間待ち そこまで並ぶか
サウジ館カタール館を見て思う。 石油のある国はお金のかけ方が違うなと。 最初に訪れたイエメン館の土産物屋攻勢が、 むしろ剥き晒しの正直な姿だったのか。万博の話題の中心は企業パビリオン。 近未来のロボットや大迫力の映像が見たい。 しかし、これは無理だと諦める。
超混雑の万博会場は、 レストランも売店も自販機も便所も、 何もかもが大行列で大変。 中米共同館で遅めの昼食をとった。 熱帯雨林の豊かな自然環境や、 マヤ文明の遺産を紹介していた。 続いて南米アンデス共同館。 これまた特異な大自然の風景や動植物、 そしてインカ文明の遺産をちらりと展示。 さらにメキシコ館を訪れるが、 やっぱりサボテンや海洋動物の紹介に、 アステカ文明の遺産が付け加えられていた。 自然環境との共生を謳う万博の主旨には 合っているのかもしれないが、 何かが物足りない。