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アセアン・ツアーコンテストその4 タイ/病院見学&カオサン通り(2009年春)

バンコクを訪れるのはおよそ10年ぶり。
当時はまだ存在しなかった地下鉄やスカイトレインに乗る。

また、バックパッカーの聖地カオサン通りに出かけてみた。

トラベルジャーナル紙掲載記事はこちら(PDFファイル)

3月24日 日本人病棟完備のバンコク病院、その充実ぶりに驚愕する

 バンコク二日目、午前中の予定は、安価で質の高い医療を海外で受けるというメディカルツーリズムのテーマに沿って、病院の視察だ。訪れたのは、その名もバンコク病院(なんて安直な病院名だろうか!)。

アセアン
【バンコク、プルマンホテル室内】

 正直なところ、私にとってあまり関心を持てない分野であったのだが、結論から言うと、予想以上に興味深かった。

 東南アジアにおいてバンコクは、シンガポールと並ぶ医療の中心。そういえば長期の旅をしていた頃、「何らかの病気を患ってバンコクで入院した」「バンコクの病院は設備も良くて天国だ」という話を、複数のバックパッカーから耳にした記憶があった。

 バンコク病院を訪れた私たちをまず驚かせたのは、ホテルやショッピングセンターと見まがうほどの、建物内装や調度類のきれいさだった。病院独特の消毒液のような臭いもほとんどない。

アセアン
【バンコク病院のロビー】

 ややあって案内役の女性が現れる。若い日本人の女性であり、どうやら日本人向けの広報担当者らしい。バンコク病院には、日本人向けの日本人専用病棟があるのだ。

 日本の大学を卒業した日本語が喋れるタイ人医師がいることはもちろん、タイで唯一タイの医師免許を持っている日本人医師がいたり、駐在員向けの健康診断のメニューを用意していたりと、日本人向けのサービスを充実させている。ふと病棟の壁を見やると掲示板があり、在住の小学生の絵などが飾られていた。

 ちなみにバンコク病院にはアラブ人専用病棟もあった。当然アラビア語での対応や、ハラル(イスラムの食の戒律)にのっとった病院食の提供などが行われているのだろう。日本人病棟が在住者の利用が大半であるのに対し、アラブ人病棟は医療サービスを受けるためにわざわざやって来る、つまりメディカルツーリズムの需要割合が高いとのこと。

アセアン
【バンコク病院の日本人病棟】

 ただ、私たちを驚かせたのは、そのような国際的なサービスに優れているという点だけではなかった。医療の質という点でも、日本のそれを上回っているようなのである。専門分野が細分化され、患者が医師を指名できること。指名が多い医師はそのぶん収入に反映されること。

 私も最近は妻の出産や、子供の付き添いで病院に足を運ぶことが多くなり、医師不足の現実を実感しているが、そのような疲弊した医療現場とは、まったく無縁であるようだった。

 もちろんそれは、国民皆保険制度の前提の上に誰でも安価に医療が受けられることを前提としている日本に対し、お金のない人は安かろう悪かろうの国営病院、お金持ちは最先端医療の私立病院と、格差が著しい欠点を伴ってのものではある。ただ、日本が決して成功していないことはたしかであり、考えさせられるものがあった。

アセアン
【バンコク病院抗加齢センター】

自由行動の午後、バックパッカーの聖地カオサンを訪れて

 昼食後、ツアーの今日の予定は終了で、午後は自由行動となった。すでに何度目かのバンコクであり、今さら訪れたいと思う観光地もない私は、久しぶりにカオサン通りへ行ってみようと思った。バックパッカーの聖地とも言われる世界最大の安宿街である。

アセアン
【バンコクの地下鉄】

 十年前は存在しなかった地下鉄と、いまだ激しい交通渋滞覚悟のバスを乗り継いで、若干の記憶を頼りにカオサンへ。

 ザックを背負った西洋人の若者が闊歩し、Tシャツや偽の学生証を売る屋台があったり、雰囲気はあまり変わっていないようにも思えたが、そもそも私はカオサンにそれほど詳しいわけではなく、特に懐かしい馴染みの店があるわけでもなく、ただぶらぶらと歩くだけで終わった。

アセアン
【バンコク中央駅ホアランポーン】

 ただ、3月末という春休みの学生シーズンにもかかわらず、日本人らしき姿をほとんど見かけなかったことが気になった。若者の旅行離れは進み、特にバックパッカーは激減しているのだろうか。

アセアン
【世界最大の安宿街カオサン通り】

 いったん宿に帰ったあと、そんなバンコクが大好きなあまり、バンコクに定住してしまった知り合いと、イスタンブールで別れて以来7年ぶりの再会をする。当たり前といえばそうだが、タイ語がペラペラになっていることに感心した。午前中に訪れたバンコク病院も、在住者向けの無料健康相談などで訪れたことがあるとか。

 アセアン・ツアーの他の参加者は、私が翌朝まで帰ってこないのではないかと予想していたらしいが、日付が変わる頃には、ちゃんとホテルに戻りました。

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【バンコク在住の知人と】

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