2003年２月の日記

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　　ふねしゅーの地球紀行
　　　　2003年２月
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●２００３年２月２８日

　シュラバスティ　→　バラバンキ手前(１４４.２ｋｍ)
　問題はこの次だ。八大聖地最後の１つサーンカーシャ。実のところ、ここまで来てその場所がよく分からない。「歩き方」にも「ファルカバード行きのバスに乗り、マハンダバード下車、そこからバスで３０分」などという行き方しか書いていない。地図はなく、持っているインド全図にはかろうじてファルカバードが載っているだけ。インド入国の際、国境で見せてもらった州地図にはマハンダバードが記載されていたがそれでもやはりサーンカーシャは不明だった。まるで宝探しのようなものだ。
　しかも、シュラバスティからファルカバード方面に真っ直ぐな道がない。シタプルという町経由でいけそうなのだが、いろいろ探した挙句、この先橋がないぞという「泳ぐ」仕草をされて、断念。南へ大きく余分な迂回路をとることにする。　

　 ●２００３年２月２７日

　ナンパラ　→　シュラバスティ(８１.４ｋｍ)
　祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
　平家物語の冒頭の文で有名な祇園精舎はここにある。シュラバスティ(舎衛城)は当時のコーサラ国の首都。ブッダは２４回の雨季をここで過ごし、数多くの説法をなしたという。遺跡は祇園精舎の跡 (サヘート)と城市の跡(マヘート)に分かれている。昼下がりの陽射は暑く、説法壇や住居跡の赤レンガが緑の草地に映えていた。
　街道に沿ってちらほらと各国寺。日本の寺はないが、代わりに洒落で作ったのではと思ってしまうような「祇園精舎の鐘」があった。Japan Bell と呼ばれていた。
　宿泊はスリランカ寺。スリランカ人の団体の他、韓国人数名と日本人旅行者も一人いた。夕方の礼拝のあと、仏舎利(ブッダの歯)を拝謁できる。小さく砕かれた歯で、さらにそのうちのひと欠片だった。　

　 ●２００３年２月２６日

　アミソヤ　→　ナンパラ(１２４.８ｋｍ)
　昨日の夜まで、西の国境をマヘンドラナガルで越えてデリーへ直行するつもりだった。今朝突然、方針変更を思い立った。この先のネパールガンジで国境を越え、シュラバスティとアグラに寄ってからデリーへ行こう。やはり寄らずに行くのはもったいない。
　そして、インド再入国。道はでこぼこで、牛だらけ、リキシャだらけ。

　 ●２００３年２月２５日

　ゴルシンゲ　→　アミソヤ(１２１.７ｋｍ)
　もうずっと平地が続くことになるだろうと思っていたら、意外にも山。人口密度も低めでやはりここはネパール。
　ネパールのダルバート(定食)はインドのターリー(定食)より美味しい。

　 ●２００３年２月２４日

　ルンビニ　→　ゴルシンゲ(４２.３ｋｍ)
　昼飯後、ルンビニを発つ。２０ｋｍほど離れたティラウラコットへ。
　ここはかってカピラバストゥと呼ばれていたシャカ族の王城。つまり、幼少・青年時代のブッダ、シッダルダ王子が暮らした場所である。インド側にも候補地があり争っているらしいが、たまたま居合わせた日本人団体客のガイドいわく、７０％こっちが正しいそうだ。
　遺跡自体は小さく、宮殿と東西の門の跡が残されているくらい。しかし、おそらくブッダがその生涯で最も長い日々を過ごした場所であろうと思われるこの地が、八大聖地に列せられてないのは、場所が未確定であるためなのだろうか。

　 ●２００３年２月２３日

　ルンビニ(０.０ｋｍ)
　佐藤さんがポカラへの用事に朝早く発たれ、朝の行進はなかった。代わりにドゥエプ君とお堂内でお題目。彼はもう２年くらいここで修行しているそうで、漢文のお経もすらすらと読み上げている。ただ漢字は分からないからローマ字で読んでいる。日本語はほんの片言で、もっと覚えたいといっていた。
　今日出立するつもりだったが、なんとなくもう一泊。

　 ●２００３年２月２２日

　ルンビニ(１７.１ｋｍ)
　朝５時。太鼓を叩きお題目を唱えながらルンビニの聖園と近郊の村を練り歩く。通常の旅行者よりはもちろんもっと体力があるものと自信をもっているが、佐藤上人の歩行速度は尋常でなく、ついていくのが精一杯だった。
　でこぼこでぬかるんだ道を歩き、寺院地区、平和の火を拝み、マヤ堂へ。こここそ、マヤ王妃が王子シッダルダを産んだとされる聖地の中心だ。沐浴場やアショカ王の石柱、そしてまだ造っている途中の真新しいお堂がある。この時点で午前６時、まだ真っ暗だ。普段は登れないというお堂の屋上に登り、窓越しに古い石像や誕生の石板を覗かせてもらう。説明の間に立ち止まるわずかな休息が嬉しい。
　が、さらに歩く、歩く、歩く。貧しい周辺のド田舎地帯。子供達が道に出てきて手を合わせる。それに対し、「南無妙法蓮華経」。チャイ屋でチャイを頂き、日の出を拝み、ぐるーっと一周し、さいごに妙法寺の白い仏塔を回ってようやく終了。８時過ぎ。
　洗濯、休憩の後、観光へ。朝回ったところをなぞるように、今度は自転車で。
　各国の寺院、そのほとんどはまだ建設中。ドイツやフランスだという寺もあって驚く。まともに出来上がっているのは、中国寺、ミャンマー寺、ネパール寺くらい。マヤ堂周辺はそれなりに賑わっているが、まだ整備過程。あとで佐藤上人がいっていた、「ルンビニ開発公団、はっきりいってアレないほうがいいんですよ、お金ばかり集めていて」と。
　バチカン、ナジャフ、ケルバラ、エルサレム、ベツレヘムとキリスト教、イスラム教の聖地と呼ばれている場所もいろいろ訪れてみたが、それらに比べるとブッダガヤを初めとする仏教の各聖地はどうも荘厳さに欠け、雑然としている。インドやネパールにお金がないから整備されないのか、それともそもそもそういう風土なのか。仏教がこの地では衰退してしまった宗教であるという「歴史的な断絶」の効果も大きく効いているかもしれない。

　 ●２００３年２月２１日

　タンセン手前　→　ルンビニ(９５.３ｋｍ)
　昨夕の残りを登りきった後は、タライ平原に向かって下る。山の景色から平野の景色へ。サイクルリキシャや車の量も多くなり、道も真っ直ぐ。道行く人々も彫りの深いインド人顔が大半。ここはまだネパールだが、騒々しいインドに一足早く帰ってきた印象だ。
　さらに平原を走り、何もない緑の野原の中、白い仏塔が目立つ。思った以上に何もない。このあたり一帯は野鳥の保護区でもあるらしい。聖地ハンビニ。
　日本山妙法寺に泊まらせていただく。もともとは日蓮宗の流れだが今は独立していて、インドをはじめとして海外での平和活動を中心的に行っている。唯一の日本人、佐藤上人は、私も元は貧乏旅行者でアフリカなんかを回っていたんです、といっていた。もう一人、ダージリン出身の外見は日本人そっくりのお坊さんドゥエプ、他料理係掃除係数名。
　妙法寺はただ泊まれるだけでなく、朝夕の勤行が義務付けられている。これが厳しいとの評判。午後５時から１時間半ひたすら太鼓を叩きながら「南無妙法連華経」を唱え、さらに３０分ほど法華経の読経と礼拝。終わった時には７時を過ぎていた。
　味噌汁、ふりかけつきの夕食とお風呂。ドラム缶の五右衛門風呂である。

　 ●２００３年２月２０日

　ポカラ　→　タンセン手前(１０９.５ｋｍ)
　往路でポカラに着いたのが２月６日だったから、２週間ぶりのまともな自転車走行だ。天気良く、山の眺めもきれいだったのが、すぐにこれはダメになる。
　くねくね曲がった山間の道。ひさしぶりにチャリダーとのすれ違い。イタリア人だった。
　このイタリア人の情報のとおり、やがて道はきつく長い上り坂になり、その途中で日が暮れる。

　 ●２００３年２月１９日

　ポカラ(０.０ｋｍ)
　雨。朝からあいにくの雨。止んだら出ようと１０時くらいまでは思っていたが止まず。
　今日もずーーーっとマンガを読むことになって頭がバカになる。ちなみに昨日は「YAWARA」、今日は「課長島耕作」を完読した。

　 ●２００３年２月１８日

　ポカラ(１０.０ｋｍ)
　さすがに登山の疲労からか、全身がずしりと重い。
　本日は休養日。洗濯、インターネット、飯屋での日本食、マンガ。

　 ●２００３年２月１７日

　シマワ　→　ポカラ(０.０ｋｍ)
　いよいよ下山の日。ジヌー、ニューブリッジまで来た道と同じだが、そこから川沿いの近道をとる。棚田の村が続く道。向こうからやってくる、重たい籠を背負ったギャニに出会う。
　　さらに歩き、歩き、歩く。いつもならもう宿に入っている筈の時間を過ぎ、夕方６時やっと、ナヤプル着。ここで車道にでる。バスで一路ポカラへ。

　 ●２００３年２月１６日

　デオラリ　→　シマワ(０.０ｋｍ)
　昨日晴れて融けた雪が夜のうちに凍結。予想通りにガチガチのアイスバーンの下り坂。雪崩より滑落が怖い。
　やがて雪や氷が減り始めて黒い土が目立ち始めてきたドバンの手前で、登ってくるケンジさんとフミエさんに出会う。今後のお互いの旅行経路を考えると多分最後の再会となるだろう。
　さらにずっと下ってシマワ。往路では２泊した宿だ。管理人ギャニは残念ながら所用のためポカラに下っているのだという。真面目な働き者のサニタに酒を飲ませて楽しむ。

　 ●２００３年２月１５日

　マチャプチャレB.C.　→　デオラリ(０.０ｋｍ)
　早朝６時。逆さの北斗七星と昇りかけのさそり座。満天の星。山影、やがて空はゆっくりと '青み’始める。鋭く切り立つ巨大なマチャプチャレ(６９９３ｍ)はまだ当分の間太陽を隠し続けそうだ。さっきまで北斗七星が見えていたあたりの真下に、真っ白な氷塊が浮かび上がった。アンナプルナサウス(７２１９ｍ)だ。さらに幾多の白い峰々が連なる。群青の空に純白の峰。空の色は刻々と変化し、それにつれて山々の輝きも変ってくるのだ。空気は凍りついたように寒い。
　朝食後、さらにもう一人韓国人が加わり、日韓４名でABCを目指す。途中までは、昨日西洋人の作った道(足跡)を辿っていく。とかく滑りやすい雪斜面を登り、そして足跡の途絶えた地点、突然、３６０度の景色がひらける。
　アンナプルナ内院。英語名 Sanctuary = 聖域。この言葉の意味がやっと分かったような気がする。ここに来て初めて、ようやく初めて、主峰アンナプルナⅠ(８０９１ｍ)がその頂点を見せた。アンナプルナⅡ(７５５５ｍ)、テントピーク(５６６３ｍ)といった山群も一望。
　そして日の出。三角のマチャプチャレのほぼてっぺんから太陽が姿を現わし、あたりが急速に明るく、そして暖かくなっていく。当然のことのようだが、このことにまったく驚いた。太陽の恵みのすごさを実感した。ついさっきまで凍えて震えていたのだが、さすがに少し寒いとはいえ半袖になって記念撮影もできるほどになった。山々の雪化粧に光が当たり一段と美しくなった。
　ぼくと一人の韓国人の二人だけ、さらに道なき雪原を掻き分け、ABCに挑戦する。すでに足跡のある雪面を歩くのに比べると、膝の上まで雪にはまりながら一歩一歩這うように進んでいくのでは、困難数倍。先頭、つまり道路作成係を交互に分担しつつ、はるかむこうおそらく１キロか１.５キロかなただろう、アンナプルナサウスの麓にABCの小屋群が視認できた地点で、ぼくらは進むのを止めた。
　推定標高４１００メートル。さっきまで右肩を隠していたアンナプルナⅠの全景もみえるようになった。１０時半、うっすらと白い雲が空に浮かび始めてきた。やはり標高の高い順に雲をかぶっていくようだ。
　行こうと思えばさらに頑張って無人のABCに達せただろう。しかし天候の崩れを警戒し、またこの地点での絶景ですでに満腹。引き返すことにする。
　午後になってからの下山。雪崩れに注意しつつMBCからデオラリへ。

　 ●２００３年２月１４日

　ヒマラヤホテル　→　マチャプチャレ　B.C.　(０.０ｋｍ)
　これまでいつも朝は晴れていたのに、今日は朝から小雪混じりの曇天。西洋人たちは、ガイドの危険だという「忠告」に従い、先へ進むのを諦めて下山していった。しかし、天気はにわかに回復。もう一人韓国人のおじさんを加え、僕らは３人で上を目指した。
　１１時デオラリに着く頃には天気は再び下り坂。上から来た登山者の情報によると、雪のため、アンナプルナベースキャンプ(以下、ABC)は現在閉じてしまっているという。
　とりあえず、その手前のマチャプチャレベースキャンプ(同、MBC)へ。吹雪、雪原横断。急坂凍結。そして、標高３０００ｍを越えて、希薄な酸素。１歩１歩が辛く、ものの１０ｍ登るごとに呼吸を整えることが必要。しかもその間中ずっと、雪を含んだ寒風が吹きすさんでいるという具合。
　白一色、でも、実のところ楽しい。
　午後２時、不意に小屋の影が目前に現れる。MBCだ。標高３７００．富士山に匹敵する高度。僕の人生最高点だが、幸いにも今のところ高山病の心配はなさそうだ。
　小屋の中には数十人の登山客が集まっている。灯油不足らしく、室内なのに氷点下の寒さ。何人かの西洋人いわく、午前中ABCに挑んだが、腕の高さまでの積雪で動けず、途中で断念して引き返して来たのだそうだ。
　夕方、こころもち天気が回復。吹雪は止む。すでに暗くなりかかった空を背景にして、うっすらと白い岩壁が映えて見える。明日の天気と眺望に期待。

　 ●２００３年２月１３日

　シヌワ　→　ヒマラヤホテル(０.０ｋｍ)
　シヌワ出発。標高２３００を越え、道端に白いものが徐々に現れはじめる。２３００のバンブーから２５００のドバンに来ると、もう道は完全に雪に覆われていて寒さも増す。小屋の屋根には雪が積もっているが、水仕事をしているオヤジが素足にサンダルだ。信じられない。
　１２時を境に天候が崩れ、マチャプチャレやガンガプルナの白峰も見えなくなる。雪の舞う中を、雪化粧の林間を過ぎ、小川をいくつか越え、雪崩れの箇所を恐る恐るたどって、２時２０分ヒマラヤホテル着。コタツ(掘りごたつ式で、中に直火が置かれている)がとりわけ暖かい。

　 ●２００３年２月１２日

　シヌワ(０.０ｋｍ)
　ナベくんの足の痛み回復せず連泊とする。
　することもなく暇なのは致し方ないが、そのおかげで、宿の管理人・従業員１９歳コンビのギャニとサンタと仲良くなる。かれらはそれぞれモグル族、グルン族という少数民族の出身で、彼らの母語の数字は日本語ととてもよく似ているらしい。グルン語のイチ・ニ・サンはグリ・ニ・ソーンという。まあ元は中国語の影響かもしれないけど、こんなところでもモンゴロイド系の文化圏とインド・アーリヤ系のそれとがせめぎあっていて面白いものだ。

　 ●２００３年２月１１日

　ジヌー　→　シヌワ(０.０ｋｍ)
　山あいのため日の出が極めて遅く、朝は肌寒い。朝の天気は良く、尖ったマチャプチャルやどっしりしたアンナプルナサウスが見える。
　９時、チョムロン。ここで検問があり入域許可証の確認がなされる。国別登山者数の表が壁に貼ってあった。意外にもイギリスが１位(ドイツかと思っていた)、日本は５位以内に入っていなかった。
　チョムロンからの下り道でナベクンが左膝の痛みを訴える。休み休み行く。どうにか次の集落シヌワに着いたところで大事をとって泊。

　 ●２００３年２月１０日

　トルカ　→　ジヌー(０.０ｋｍ)
　昨夕は雨すら降ったが、朝になると快晴。トルカの村の棚田の向こうにアンナプルナサウスが見える。ヒマラヤの白峰がぐっと間近だ。
　トルカからランドルクまで集落が続き、通学途中の子供達と何度も行き違う。
　手すりも何もない丸太つくりの「ニューブリッジ」を渡り、さらに上り下りを繰り返し、午後１時半ジヌーに着く。今日はここでおしまいだ。
　ジヌーには温泉がある。川まで下って入る。ややぬるめだが気持ちがいい。露天。曇ってきて小雨もぱらついたが、４時ごろまでのんびりとつかって時間を過ごした。

　 ●２００３年２月９日

ポカラ　→　クェディ　→　トルカ(０.０ｋｍ)
　山へ出発。早朝は好天で、アンナプルナやマチャプチャレの白い山群がくっきりと見える。ヤル気ががぜんと出る。
　バスを乗り継いでクェディという集落へ。ここからは、崖の如き急斜面をいきなり一気に登る。ある程度登ってからも登り斜面は依然続いて、段々畑を山羊や鶏が遊び、薪を背負って運ぶ人、そんな風景が広がる。
　そして標高１８００メートルの村ダンプス。思っていた以上に大きな村で、どこから運んできたのか車も１台見かけた。電線が延び、携帯電話で話しているおじさんもいる。登山道の途中の村とは思えない。ダンプスから先、林間の道沿いにときどき集落あり。香港人らしき団体が手ぶらで下りてくる。その前後には、自分の倍ほどの容積の荷物を担いだポーターたちが歩いている。
　　午後は曇で、登ってからは眺望がきかない。今日は初日だから少し頑張ることにして、トルカの村へ。やたらに愛想の良いおばちゃんが一泊二人で２０ルピー(３６円)と下げてくる。もとより泊まれば食事もとるからそれを当て込んでのことだろうが、やたら饒舌で英語もうまく面白いおばちゃんだった。

　 ●２００３年２月８日

ポカラ(２３.７ｋｍ)
　山行きの準備。最終目的地となるアンナプルナベースキャンプが積雪で閉まっているという噂。登山靴の調達を迷っていたが、雪に備えて借りることにする。

　 ●２００３年２月７日

ポカラ(２９.２ｋｍ)
　イスタンブールで一緒だったライダーの二人と、ブッダガヤで会ったナベ君と、別々に再会。日程の都合が折り合ったナベ君と一緒に山へ行くことにする。早速、アンナプルナ登山事務所に入山許可証(2000ルピー)の取得に行く。時に強盗が出没するといわれるアンナプルナ山域への同行者が見つかってほっとする。

　 ●２００３年２月６日

ムグリン →　ポカラ(９７.３ｋｍ)
　午前中は霧の中で、午後からは良い天気。上り坂や川を渡るとき、彼方に雪を被った白い山脈を仰ぎ見る。青や緑の山々とは全く違う迫力を感じる。
　夕方、ポカラ着。聞いてはいたものの、旅行者少なく閑散としている。

　 ●２００３年２月５日

カトマンドゥ →　ムグリン(１１６.６ｋｍ)
　朝から久しぶりに好天。出発日和。
　カトマンドゥ盆地を出てから長い長い下り坂。たまの上り坂でも、以前に比べるとギアの噛み合せが良くなっているのでずっと楽だ。南方面との分岐点の小さな町ムグリンにて泊。

　 ●２００３年２月４日

カトマンドゥ (０.０ｋｍ)
　結局３時までカジノにいたため、今日はボーっとしたまま一日を過ごす。午後は日本大使館で読書。

　 ●２００３年２月３日

カトマンドゥ (０.０ｋｍ)
　今日は買い物日。登山・トレッキングのメッカ、ネパールにはアウトドア用品が充実している。日本よりずっと驚くほど安い。中国製の贋物との噂が大だが、それを差し引いても充分安い。手袋、合羽などを買った。合羽上下、日本では2万円はするゴアテックス製のものがなんと3000ルピー (5000円弱)である。自転車旅行をしているくせに、折り畳み傘しか雨具がないという状況をやっと脱することができた。
　夜、宿の何人かを誘って高級ホテルのカジノを訪れた。入場無料、短パン・サンダルでさえなければ、服装規定特になく、中ではアルコールを含め飲食無料と言う博徒場。厳しい警備員にうやうやしく迎えられ、一歩中に入ると中は別世界。入口付近にスロット、右手にトランプやルーレットの賭け台、奥手にはビリヤードと食事の空間がある。一般ネパール人は立入り禁止というカジノ(宿のネパール人一人を日本人のふりをさせて我々と共に入場に成功)では、客の大半は華僑と印僑のようだった。
　ただ飯、ただ酒、でもルーレットで１３００ルピー、一瞬約２倍になったが、結局はスッた。
　

　 ●２００３年２月２日

カトマンドゥ・パクタプル (５５.０ｋｍ)
　３王国の首都の１つ、バクタプルへ。カトマンドゥから１５ｋｍほど離れているが、その分だけ近代化されておらず、当時のままの風情が街並みごと残っている。多くの寺院、五重塔はもちろん、レンガ畳の道には車やバイクが少なく、木とレンガ造りの家並みとよく調和している。入域料７５０ルピーと馬鹿高いためか(実は、裏道から入りこめてしまうのだが)、外国人旅行者の数は少ない。軒を連ねる土産物屋もどこも閑散としている。入域料を払わず土産物も買わずに文句だけいうのもなんだが、高い料金設定で儲けるのは政府と役人だけ。旅行者の数は減って、一般の観光商売者には打撃になっているとしか思えない。
　

　 ●２００３年２月１日

カトマンドゥ・パタン (０ｋｍ)
　午前中は雨と停電。午後、ようやく雨が上がり、ゴッチンとパタンへ行く。パタンは、カトマンドゥ盆地に栄えたマッラ３王国の首都の１つ。カトマンドゥと同じで、ダルバール広場と呼ばれる広場が中心で、レンガと木の組み合わせで造られた寺院や塔が並ぶ。市内には他にもいくつか寺院が点在しているが、どこも閑散としていて子供達の遊び場になっていた。
　夜、地元色１００％の「居酒屋」に行く。狭い店内はネパール人で満員。小さな樽にストローで呑むという形態の地酒トゥンバを、チャーハンやモモ(チベット餃子)をつまみにして味わう。日本酒にやや近い味のトゥンバは、何かの実を発酵させたものがギッシリと詰まっているところにお湯を注いで味わう。３０ルピーだが、何度もお湯を注ぎ足しておかわりできるので、お得である。
　